日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター Japan Zeolite Association Academy Center, 358-5 Yamabuki-cho, Shinju-ku, Tokyo 162-0801, Japan
Zeolite 40(4): 176-177 (2023)
doi:10.20731/zeoraito.40.4.176

レポートレポート

2023年度ゼオライトフォーラム参加報告

大阪ガス株式会社イノベーション本部エネルギー技術研究所次世代SOFC開発プロジェクトチーム

発行日:2023年10月15日Published: October 15, 2023
HTMLPDFEPUB3

2023年6月9日に2023年度ゼオライトフォーラム「カーボンニュートラルへ向けた動向と技術開発」が開催されました。今年度のゼオライトフォーラムは数年ぶりにオンラインではなく,三菱ケミカル株式会社Science & Innovation Centerにて現地開催されました。現在,弊社では脱炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを進めており,今回のテーマを興味深く拝聴いたしました。ゼオライトフォーラムは今回が初参加でしたが,簡単にその内容についてご報告いたします。

このフォーラムでは,地球環境産業技術研究機構(RITE)の秋元圭吾先生,金沢大学の児玉昭雄先生,株式会社IHIの鎌田博之様にご講演いただきました。

はじめに秋元圭吾先生から「カーボンニュートラル実現に向けた対策技術の展望」という題目でご講演いただきました。この講演では,カーボンニュートラルに関する制度や目標,世界的な取り組みの現状とその対策技術の全体像についてご説明いただきました。現段階で既に活用されている技術に加えて,将来有望視されている技術開発についてもご紹介いただき,今後の展望について理解を深めることができました。

続いて児玉昭雄先生から,「廃熱駆動型温度スイング吸着の高度化によるカーボンニュートラル実現への貢献」という題目でご講演いただきました。この講演では工場からの排ガスなど,二酸化炭素排出源から二酸化炭素を回収する技術についてご紹介いただき,ゼオライトを用いた二酸化炭素吸着プロセスの検討における技術課題や開発状況についてご説明いただきました。脱炭素社会の実現に向けて二酸化炭素の分離回収技術開発は重要と考えており,廃熱を用いている点も含めて脱炭素技術に対する学びを深めることができました。

Zeolite 40(4): 176-177 (2023)

児玉先生によるご講演の様子

最後に鎌田博之様から「IHIにおけるCO2の燃料および化学原料化への取り組み」という題目で,株式会社IHIの脱炭素社会の実現に向けたメタネーション等の取り組みをご紹介いただきました。弊社もメタネーションに関する検討を進めており,メタネーションに関する技術課題について学びを深めることができました。

これらのご講演を聴講することで,カーボンニュートラルに関する技術開発動向や技術課題について幅広く情報を収集できました。また,ご講演の後に三菱ケミカル株式会社Science & Innovation Center内を見学させていただき,ゼオライト膜のデモ装置を拝見いたしました。加えて懇親会においては,ゼオライトの研究・技術開発に携わる諸先生方や企業の方々と楽しくお話しでき,貴重なお話をお伺いすることができました。このような非常に有意義なフォーラムを開催いただき,誠にありがとうございました。ご尽力いただきました関係者の皆様に深く感謝いたします。

Zeolite 40(4): 176-177 (2023)

懇親会の様子

This page was created on 2023-10-06T13:05:23.650+09:00
This page was last modified on


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。