超高速グラフェン包接ゼオライト分離膜の省エネ分離への可能性
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3 Department of Chemical Engineering and Technology, Faculty of Technology, University of Banja Luka
省エネルギーの分離技術には,高圧印加なしで高速な分離膜の開発が求められる。ここでは20 kPa差圧下で従来の分離膜より数十倍以上の高速分離性を持つグラフェン包接ゼオライト(G-ゼオライト)分離膜の作製法と気体分離特性を紹介する。酸化グラフェンコロイドでMFIゼオライト微結晶を塩化アンモニウム存在下で包接後,アルゴン中にて623 Kで処理してG-ゼオライト分離膜材料を得る。G-ゼオライト分離膜材料を925 MPaで圧縮すると,5 mm直径のクラックのない分離膜が得られる。この分離膜ではゼオライト結晶表面にグラフェンが原子間力で密着しているために,ゼオライト結晶面の凹凸構造とグラフェン面間のサブナノスケールのチャネルで気体を分離できる。この新たな分離機構は分子動力学から支持されている。高速分離性はG-ゼオライト結晶粒子間の100 nm程度の空隙構造が関係している。本分離膜は水素/メタンの分離係数が245で,水素の透過係数は5.8×106 barrers(1.3×10−5 mol m−2 s−1 Pa−1)であり,従来の分離膜より100倍以上大きい。Robesonプロットでは離れた右斜め位置を占め,極めて優れた分離性能であることを示す。この分離膜は二酸化炭素/窒素,窒素/酸素についても今までにない優れた分離特性を示す。
キーワード:高速分離膜;グラフェン;ゼオライト;酸化グラフェン;分離特性
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