日本ゼオライト学会 刊行物

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター
Zeolite 39(1): 10-20 (2022)
doi:10.20731/zeoraito.39.1.10

解説

レーザー脱離イオン化質量分析法へのゼオライトの利用

1東洋大学大学院理工学研究科応用化学専攻 ◇ 〒350–8585 埼玉県川越市鯨井2100

2東洋大学バイオナノエレクトロニクス研究センター ◇ 〒350–8585 埼玉県川越市鯨井2100

3警視庁科学捜査研究所 ◇ 〒100–8929 東京都千代田区霞が関2丁目1番1号

4放送大学教養学部 ◇ 〒261–8586 千葉県美浜区若葉2–11

受理日:2021年10月20日
発行日:2022年1月31日
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質量分析における分子イオン化法の一つとしてマトリクス支援レーザー脱離イオン化法がある。マトリクスと呼ばれる弱有機酸分子や金属・半導体粒子と試料分子との混合結晶を作成し,主に紫外レーザーを照射することで試料分子を壊すことなくソフトにイオン化する手法である。飛行時間型質量分析装置と組み合わせることで分子量による分析が可能になる。この手法は生体高分子など難揮発性分子をイオン化させ気相中に脱離できる優れた能力を持つが,得られるイオンの強度,再現性,低分子量試料への応用などいくつかの課題があった。この解説ではゼオライトをレーザー脱離イオン化法に利用することで上記の問題点が解決できることを示した。光励起の条件やイオン化機構を明らかにし,開発した手法を利用して尿中に含まれる薬物と代謝物の定量分析を行った。さらに指紋中に含まれる薬物と代謝物の測定にも応用した。ゼオライトがレーザー脱離イオン化法に非常に有効に作用することを示した。

キーワード:ゼオライト;マトリクス支援レーザー脱離イオン化法;質量分析法;薬物;定量分析

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