日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター Japan Zeolite Association Academy Center, 358-5 Yamabuki-cho, Shinju-ku, Tokyo 162-0801, Japan
Zeolite 38(3): 71-82 (2021)
doi:10.20731/zeoraito.38.3.71

解説解説

AlPO系ゼオライトの水熱転換による新規多孔質物質の創製Synthesis of Novel Zeolites and Zeotypes by the Interzeolite Conversion Method of Aluminophosphate-type Molecular Sieves

1岐阜大学大学院自然科学研究科Graduate School of Engineering, Gifu University ◇ 〒501–1193 岐阜市柳戸1–1

2産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)

受理日:2021年6月4日Accepted: June 4, 2021
発行日:2021年7月15日Published: July 15, 2021
HTMLPDFEPUB3

ゼオライトを無機原料としたゼオライト合成「ゼオライト水熱転換法」に関する研究が注目されるようになった。著者らは,AlPO系ゼオライトであるAlPO4-5(AFI)を環状第2級アミン存在下,水熱処理を行ったところ,有機規定剤を含有した新規多孔質結晶GAM-2を得た。さらに,空気雰囲気下の焼成により有機規定剤を除去したところ,骨格構造がさらに変化し,新規ゼオライトGAM-3を得た。結晶構造解析により,GAM-2はc軸に沿って16員環の直線的な細孔を持ち,そのうち二つのP原子はOH末端で,OSDAであるピロリジンと強い相互作用を持っていることが分かった。またGAM-3の骨格構造は,3次元細孔の12-8-6員環構造を持つゼオライトであることが分かった。さらにAFI型トポロジーのSAPO-5およびCoAPO-5ゼオライトに対しても,同様の水熱転換法を行ったところ,新規骨格構造を有するゼオライト類似物質GAM-4およびGAM-6を得た。水熱転換法において,ゼオライトのみを無機原料として使用して新規多孔質結晶の合成に成功した最初の研究例である。

The interzeolite conversion method, zeolite as an inorganic raw material, has attracted much attention recently. We have demonstrated the interzeolite conversion of AlPO4-5 zeolite (designated as izcAP) with AFI topology in the presence of cyclic-amine as an OSDA, yielding a crystal GAM-2 containing an OSDA. Further, the calcination of GAM-2 under airflow caused the structural changes to produce an open-framework zeolite GAM-3. Structural elucidations of the obtained crystals revealed that GAM-2 has a new topological framework structure having 16-rings straight channels along the c-axis with P atom bonded terminal –OH groups and that GAM-3 also has a new topological framework with a 3-dimensional 12-8-6 rings pore system. In addition, the interzeolite conversion of metalloaluminophosphates (named as izcMAP) such as SAPO-5 and CoAPO-5 zeolites produced the new microporous crystals ‘zeotypes’, designated as GAM-4 and GAM-6. These findings are the first successful research example that a new zeolite can be formed from a parent zeolite only.

キーワード:ゼオライト水熱転換法;新規ゼオライト;新規多孔質結晶;アルミノリン酸塩

Key words: interzeolite conversion; novel zeolites; novel microporous crystals; aluminophosphates

1. はじめに

この解説では,我々の研究室でこれまでに得られたゼオライト水熱転換法の結果を踏まえ,第35回ゼオライト研究発表会で紹介した新規ゼオライト(二種類)と新規ゼオライト類似物質(二種類)について,解説とこれまでの知見に基づく我々の見解を述べる。疑問や意見が出るであろうが,問い合わせをしていただき,ゼオライト水熱転換の理解を高められたらと思っている。

ゼオライト合成における最近の動向,合成戦略については,窪田らによる本紙の解説1,2)に端的かつ的確にまとめられているので,ぜひ参考にしてほしい。「ゼオライト水熱転換法」に関しては,最近M. E. Davis3)とA. Corma4)が国際誌にレビューとして取り上げていることから,本手法のポテンシャルや学術的な期待が大きいと言っても問題ないだろう。我が国では,佐野らが以前より精力的かつ包括的に本手法を研究しており5–7),函館での特別講演8)で研究成果が紹介されたことは記憶に新しい。

最近では,代表的な水熱転換の例となりつつある,FAU型からCHA型への転換法9,10)について,計算化学を利用しゼオライト骨格中の原子配列を理解しようとする試みが,村岡,大久保ら11)によって行われていることから,本手法は新しい合成手法だけに留まらず,「ゼオライトのデザイン合成」を志向するまでに至ってきている。

ゼオライト水熱転換は,英語のinterzeolite conversionをとって「IZC」と略されるが,佐野の特別講演であったように,Davisらは,ゼオライトのみを原料としている場合を「trueIZC」とし,ゼオライト原料に非晶質無機物を添加した方法を「IZC」として区別することを提唱している3)。ゼオライト水熱転換法の研究が黎明期からルネッサンス期に入ろうとしている現在,国際的に統一した記述法をIZAに提案し,決めていただきたいと思っている。

研究発表会で紹介したが,当研究室では身勝手ながら表記法を決めている。当研究室では「ゼオライトのみ」,つまりDavisの言うtrueIZCを研究対象としているため,trueを使って区別する必要がない。そこで新しくリン酸アルミニウムの水熱転換法を「izcAP」,メタロアルミノリン酸塩の場合を「izcMAP」と表記している。さらに原料ゼオライトを「親ゼオライト(parent zeolite)」12),水熱転換法により生成するゼオライトを「子ゼオライト(child zeolite)」と表記している。(ただし,子ゼオライトはco-zeoliteと誤解されることを避けるため,チャイルドと呼称する。)また,簡易的な表記として「矢印」で結ぶ方法が,いくつか論文等で利用されていることから,それらも参考にしている。ベータゼオライトからZSM-5の転換法を例にすると,トポロジー表記の場合「*BEAMFI」,物質名の場合「beta → ZSM-5」としている。物質名表記の場合,矢印の前後に半角スペースを入れている。色々と試した結果,一番見栄えが良かったからである。ご意見などあろうと思うがお許しいただき,本誌では,それらに従って以降記述していく。

本題に入る前に,ここで紹介するGAMという名の由来を記す。GAMは,Gifu University Aluminophosphate Materialsの頭文字から命名している。GAM-113)は,キラルなジアミンを用いて合成したAlPO系結晶であり,焼成するとCHA型のAlPO4–34となる物質である。詳細な結晶構造解析により,欠陥がほとんどなく局所原子配列がユニークであることを突き止め,論文投稿の際に新しく命名した。今回紹介するGAMシリーズも,著者らが興味を持っているリン酸アルミニウム系の結晶材料のため,一連の新規物質もGAMシリーズとして扱っている。

2. IZC法とADOR法

ゼオライトを無機原料として利用する合成手法14)は,ひと昔前から見ることができる。特に窪田・杉らによって,faujasite (FAU)やゼオライトβ(*BEA)を原料とした,CIT-5(ATS),SSZ-24(AFI),SSZ-31(*STO)など大細孔径ゼオライトについては,合成スキームや触媒反応の観点から注目される15–18)。さらに最近,窪田らがfaujasiteから新規トポロジーのYNU-5(YFI19)ゼオライトを合成したことは記憶に新しく,アルミノシリケート型の新規ゼオライトということで,触媒利用を含めた多様な応用へと期待されると同時に,ゼオライト水熱転換法による新規材料創製への期待が高まった研究報告である。

これから紹介するADOR法も含め,一連の報告例はゼオライト原料とともに,非晶質原料を添加しており,親ゼオライトのみで水熱転換する例ではない。さらに,MorrisやČejkaらが報告したADOR法20–22)は,ゲルマノシリケートであるIM-12(UTL)のO–Ge結合が加水分解により切断されやすいことを前提とする合成法であり,加水分解後の「ナノパーツ」と添加された原料が再び組み合わさることで,ゼオライトのデザイン合成ができることを報告している。論文中で彼らは,親子ゼオライトの結晶構造の類似性を明確なロジックで示し,新規ゼオライトIPC-2(OKO)とIPC-4(PCR)の合成報告をしている12,20–22)

一見,IZC法とADOR法は同じ合成法と捉えてしまうが,レゴブロックで例えると,前者は完成品(親ゼオライト)を適当にバラバラにして,違うモノ(子ゼオライト)を作る。一方,後者は完成品の壊れそうな部分だけ取り外して,新しい作品へと組み替える。前者が局所的な「未知なパーツ」とすれば,後者は「既知であるフラグメント」として捉えると,後者の方から新規ゼオライトが合成できた点も,納得ができるだろう。

3. ゼオライトのみからの水熱転換

このような研究の背景の中,親ゼオライトだけを用いた水熱転換法は,佐野らによって,その特長や合成における利点などが次々紹介されている5–7)が,これまでゼオライトのみを無機原料としたIZC法による新規ゼオライト合成の報告例はない。こうした理由から,ゼオライト水熱転換法でいわれる「親ゼオライトからの局所的ナノパーツの提供」という本質部分に対して,疑問を持っている研究者がいるのも事実であろう。

ゼオライトを原料とする場合,親ゼオライトとしてFAU型または*BEA型ゼオライトが一般的に用いられている。この理由は,ゼオライトの骨格密度(FD)が関係しており,FDが「疎」のゼオライトは熱力学的に不安定23)とされることから,子ゼオライトへの構造転換をスムースに進行させようとする意図のためである。事実,種々のIZC法に関する報告例を見ても,子ゼオライトのFDは親ゼオライトのFDより大きい。すなわちFDが「疎」から「密」になるのが,この合成法の一般的な特徴と考えられている(図1)。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図1. 代表的な親ゼオライト(FAU)と子ゼオライト(CHALEV)の構造と骨格密度

我々も当初,親ゼオライトを決めるにあたり,佐野らが報告しているSAPO-37(FAU)を候補として挙げていた24)。しかし,合成法や特性が十分知られているAlPO4-5(AFI)を親ゼオライトとした方が,その後の研究展開が見込めると思い検討を始めた。FAU型のFDは,FDFAU=12.7(T nm−3,以降略)であり,AFI型(FDAFI=17.3)のそれと比べると疎な骨格密度である。しかしながら,窪田らの先行報告18)では,AFI型トポロジーのSSZ-24が子ゼオライトとして合成されていることから,当初AFI型ゼオライトを親ゼオライトとして用いても,水熱転換しないだろうという懸念もあった。

研究の初めのころは,佐野らのアルミノシリケートの報告例に習い,AlPO4-5とOSDAの混合物に,鉱化剤としてNaOHaq.を加えていた。結果としては,高密度相のSOD型(FDSOD=17.2)をメインとする混合物しか得られなかった。しかし,NaOHの添加量を減らしても,同じような混合物が得られることを報告会で聞き,もしかしたらAlPO系では,OSDAだけでも転換するのでは?どうせなら,塩基性の高いピロリジンで検討してみたら?と,担当していた学生さんに夏休みの宿題としてお願いをしたところ,AlPO4-5やSOD型とは全く異なるXRDパターンを示す物質を得ることができた。それがGAM-225)である。

4. GAM-2

4.1 GAM-2の構造

GAM-2の骨格構造を図2に示す。結晶構造解析の結果,GAM-2はc軸に沿ってダンベル型をした16員環の直線的な細孔を持っていることが分かった。この細孔を形成するT原子の二つのリン原子は,末端がOH基であり,OSDAであるピロリジンの窒素原子と水素結合と見られる強い相互作用をとっている。このため細孔を形成する16員環には2分子のピロリジンが細孔内を占有し,細孔を安定化している。似たようなダンベル型細孔構造を持つゼオライトとして,18員環のSSZ-61(*–SSO)や10員環のlithosite(–LIT)があり,GAM-2のメイン細孔の16員環構造は,これらの中間と見ることができる。また特徴的な点として,GAM-2のアルミニウムとリンは4配位(すなわちT原子)であるが,アルミニウムのAl(1)サイトはAl–O–Al結合を有している点である。以降,焼成によるGAM-3への構造転換に,この部位の存在がポイントとなる。(後述)

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図2. GAM-2の構造((a)c軸方向,(b)メインポアの拡大,(c)a軸方向,(d)b軸方向)

4.2 izcAPの経時変化

親ゼオライトであるAlPO4-5とピロリジン存在下でのizcAPによる経時変化のXRDチャートを図3に示す。親ゼオライトであるAlPO4-5に由来する回折ピークは,12時間後には消失しており,1日後でも結晶由来の回折ピークを見ることができない。2日目からGAM-2に由来する回折ピークが現れ始め,7日目で最もピーク強度が強い結晶が得られたが,合成時間を延ばした14日では,ピーク強度の低下と低角にブロードな回折ピークを確認した。さらにGAM-2のピーク以外に,よく見るとAlPO4-21(AWO)に由来する回折ピークを確認することができた。実際に色々と試した結果,これまでのところ,ピロリジン存在下,非晶質原料(リン酸と各種Al源)による従来の水熱合成で,GAM-2の生成は観測されず,AlPO4-2126)をメインとする結晶が得られるだけである。また,合成したGAM-2を種結晶として添加しても非晶質原料からの合成ができていない。これらの結果から,我々は親ゼオライトであるAlPO4-5から生成する「何かしらの局所的ナノパーツ」がGAM-2生成には必須であると考えた。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図3. izcAP (AlPO4-5 → GAM-2)の経時変化(XRDチャート)

4.3 「密」から「疎」の変化

先にも記したが,水熱転換法は一般的に骨格密度が「疎」→「密」へ起こるものである。佐野らは,LEVANAの転換過程で,親であるLEV型よりFDが疎であるCHA型の生成を中間相として確認し,OSDAによる完全な速度論的支配によるゼオライト合成について言及している27)

驚くことに,GAM-2のFDは16.2であり,親ゼオライトのAlPO4-5(FDAFI=17.3)よりも骨格密度が「疎」であることが分かった。すなわち,AlPO4-5 → GAM-2への水熱転換(izcAP)は,OSDAによる速度論的支配で進行する極めて稀有な合成例であることが分かった28)

izcAP法では,親ゼオライトの分解と子ゼオライトの生成という両方の化学的な過程を,OSDAとして添加する有機アミンが担うことになる。我々のこれまでの結果を見る限り,OSDA分子がAlPO4-5を数個のT原子からなる非晶質状態にまで分解した後に,多孔体形成のための鋳型として働くと考えるには無理がある。むしろOSDAによりAlPO4-5が分解した際に生成する「パーツ」とOSDAの相性が良く,もしくは,OSDAが相性良く分解している過程で,エネルギー的に安定なパーツとOSDAの複合体(例えば,リン酸の水酸基とOSDAのアミン部位との酸―塩基相互作用や水素結合)を形成し,それらが集合し核形成すると考えた方がリーズナブルだろう。こう考えれば,12員環のAFI型から16員環でFDが疎なGAM-2が生成した理由もおおよそ説明がつくだろう。

4.4 速度論的支配のmatchとmismatch

izcAP法(AlPO4-5 → GAM-2)が熱力学的支配をあまり受けずに,圧倒的なOSDAの速度論的支配を受けて進行するとなると,親ゼオライトの分解速度と子ゼオライトの生成速度,すなわち両方の速度「分解生成速度」を考慮しなければならない。この様な場合,反応条件(温度,濃度,OSDAの塩基性など)は勿論であるが,それぞれの過程に要する「時間」(タイミング)が大変大きな因子であると痛感する。

これまでの実験結果から言えることは,分解速度と生成速度のタイミングが合えば(マッチ:match),izcAPは単一相の結晶を見事に与える。しかしながら,このタイミングが合わないと(ミスマッチ:mismatch),親ゼオライトの構造変化(分解)自体も起こらないし,複数の結晶や親ゼオライトとの混合物が生成するだけの場合がある。事実,発表会等では成功例のみを紹介しているが,使用する有機アミンによっては親ゼオライトの骨格構造が数日,もしくは全く変化しない実験結果も数多くある。

このmatchおよびmismatchについて,ある一例を紹介する。AlPO4-5の水熱転換法で得られるGAM-2の収量は30%程度と低い。収量を増やすことを目的に,親ゼオライトとともに非晶質原料を少量添加してizcAPを行っても,得られるGAM-2の収量には大きな変化が見られない。この原因が,分解速度か生成速度なのかは,分かっていないが,たとえ単一相の結晶に転換したとしても,このようなmismatchと言える転換結果となることがある。

これらizcAP (AlPO4-5 → GAM-2)に関しての実験を通して,親ゼオライトの分解によって生成する何かしらの局所的なパーツがGAM-2の形成には必須で,OSDAであるピロリジンによるAlPO4-5の分解速度とGAM-2の生成速度のmismatchが原因で収量が悪い。と,今のところ我々は考えている。現在,当研究室ではGAM-2の高収量合成を目的に,親子ゼオライトの骨格構造の類似性,特に親ゼオライトの骨格構造(CBUを含めた比較的広い範囲の構造)に着目することで,GAM-2合成のmismatchを解消できるのではないか?と考え,研究に取り組んでいる。

5. 多孔質リン酸アルミニウム結晶の構造変化

既報の多孔質リン酸アルミニウム結晶では,焼成の際に構造変化を起こし,別の多孔質結晶を与えるという報告例がある。例として,AlPO4-21(AWO)からAlPO4-25(ATV26)や,PST-5からPST-6(PSI29)などが挙げられる。

GAM-2に含包するピロリジンの除去を目的に空気雰囲気下で焼成を行い,XRD測定をしたところGAM-2とは全く異なる回折ピークを持ったGAM-3を得た(図4)。また,親ゼオライトおよびGAM-2のFE-SEM像を図5に示す。SEM像から,AlPO4-5は典型的な六角柱のモルフォロジーだが,GAM-2は板状構造となっていた。これは,親ゼオライトの分解→子ゼオライトの生成(AlPO4-5 → GAM-2)と言う化学的過程が進行したことを示している。また,GAM-3のモルフォロジーは,焼成により多少のひび割れがあるが,ドラスティックなモルフォロジー変化は確認できない。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図5. AlPO4-5ゼオライトとGAM-2およびGAM-3のFE-SEM像

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図4. AlPO4-5ゼオライトとGAM-2およびGAM-3のXRDチャート

焼成によるGAM-2からGAM-3への構造変化も,既報にあるリン酸アルミニウムと同様であると捉えてしまうが,よく考えると珍しい科学的現象と言って良いだろう。ゼオライト合成は,速度論的に進行すると一般的に言われる。これはゼオライトが宝石のような安定相に存在する物質ではなく,準安定相(metastable)に存在する鉱物とされているからである。既報の構造変化をみても,ゼオライト(OSDAを含包)から他のゼオライトへ「1回だけ」構造変化する。しかし,GAM-3の合成では,準安定相に存在するゼオライトの構造変化が「2回」起きている。言い換えると,準安定相中でゼオライトのような3次元的に複雑で巨大な分子が多段階の構造変化を起こしていることになる。これは新規ゼオライトの発見とともに,ゼオライト科学において大変珍しい現象と見なせる。

6. GAM-3

6.1 GAM-3の構造

結晶構造解析の結果,GAM-3は新規トポロジーを有するゼオライトであることが分かった。GAM-2がc軸に沿って16員環の細孔構造であるのに対し,GAM-3はc軸方向に12員環と8員環の直線的な細孔と,a軸およびb軸に沿ってそれぞれ6員環の細孔を持つ,3次元的(12-8-6 pore system)なゼオライトである(図6)。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図6. GAM-3の構造と新しい構造ユニット((a)c軸方向,(b)a軸方向,(c)b軸方向,(d)新しい構造ユニットとdzc

メインポアである12員環チャンネルは6員環(ab軸)を介して隣接しており,この接続部分がc軸の8員環を形成している。GAM-3の新しい構造的な特徴として,種々のゼオライト骨格でみられるchain構造の一つであるdzc (double zigzag chain)30)の一辺を共有し,二つの4員環がジグザグにシート状になった新しいユニット構造(edge-shared dzc)である(図6)。この新しいユニットが,周期をずらすことなく四方から囲うようにGAM-3の12員環を形成しているため,細孔内は蛇腹状になっており,AlPO4–36(ATS)のそれと似ている。この新しいedge-shared dzc構造は,GAM-3の細孔構造全体の形成を担っている。このためGAM-3ゼオライトは,非常に対称性が高い構造のゼオライトとなっている。

6.2 GAM-3ゼオライトの問題

GAM-3の骨格密度(FDGAM-3=17.6)は,空気雰囲気下での焼成(550°C),すなわち熱力学的支配のみで構造変化を起こすことから,GAM-2のFDより大きな値であることは当然な結果と言える。親ゼオライトであるAlPO4-5(FDAFI=17.3)と比べると,同じ12員環ゼオライトであることから,若干の差であっても理解できる。

当研究室では合成,構造を含めて第35回研究発表会の2年前から,これら新規ゼオライトについて検討していた。発表するにあたり,izcAPによるGAM-2合成の再現性を一年間,徹底的に検討して間違いなくGAM-2ができることを確認した。しかしながら,焼成後のGAM-3ゼオライトの吸着物性に問題があり,複数の先生方に相談しても解決に至らず未解決のまま時が過ぎてしまった。親ゼオライトであるAlPO4-5は典型的なⅠ型の窒素吸着等温線を示すが,GAM-3ゼオライトの等温線は,Ⅰ型と言うよりⅢ型である25)。BET法による比表面積は8 m2 g−1しかなく,ゼオライトが有する高表面積という特性とかけ離れている。一方,窒素とは対照的に水吸着では,GAM-3の重量に対して,おおよそ11 wt%の吸着量を示した。この水吸着が物理吸着と仮定して,比表面積を見積ると178 m2 g−1となる。

AlPO4-5とGAM-3は,お互いに12員環で直線的な細孔を持ち,骨格の化学組成(P2O5/Al2O3)も同じである。なぜ不活性ガスによる吸着特性にGAM-3は不適なのか?論文投稿の際に,査読者からも同じ指摘を受けた。我々の見解は,GAM-2 → GAM-3への構造転換過程でのstacking faultが原因だと考えている。GAM-2およびGAM-3の16員環や12員環はc軸方向に直線的である。SEM像と骨格構造を比べると図7のようになり,骨格の一部に欠陥があると分子がそれより奥に入ることはできない。このため一般的なゼオライトに見られるI型の吸着等温線が得られないと考えている。このような理由は,GAM-3の結晶性が高くないことから推測できる。他方,都合の良い理由として,GAM-3ゼオライトは極性分子のみに特異的な吸着をする材料である。と,言いたいが,AlPO4-5と化学組成が同じゼオライトが,化学選択的な分子吸着をする理由を考えるには無理がある。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図7. GAM-3結晶の特徴

7. GAM-2からGAM-3のトポタクティックな構造変化

焼成条件下において,おおよそOSDAを含包するゼオライトは熱力学的に不安定である。焼成の際に構造が壊れる内容の論文などは良く見ることである。幸いにしてGAM-2は焼成によりGAM-3ゼオライトへと変化し,それらの空間群は,ともにP21212であった。この焼成過程で起こるトポタクティックな構造変化のメカニズムは,論文でも記述しているが,実にロジカルに説明できる(図8)。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図8. GAM-2 → GAM-3のトポタクティックな構造転換

16員環で末端OH基を持つGAM-2が,構造転換する際に最も注目するサイトは,P(1)サイトのOH基とAl(1)サイトのAl–O–Al結合である。このAl(1)サイト間の酸素原子はO(4)サイトで,結合距離が少々長い部位となっている。熱力学的に不安定となったGAM-2のAl(1)–O(4)結合がいち早く切断され,近傍にあるP(1)サイトのOH基と脱水縮合反応を起こしながら,低エネルギーの骨格構造(骨格として対称性が高いことを意としている)へと変化すると,新しいchainユニット構造「edge-shared dzc」が四方に囲う形で12員環細孔のGAM-3ができる。実際,FT-IR測定により見られたO–H基によるピークは,GAM-3では観測されない。

8. izcMAP法

AlPO4-5(AFI)ゼオライトによる水熱転換法(izcAP)により,新規ゼオライトが生成するということは,骨格にケイ素(SAPO-5),亜鉛(ZAPO-5),コバルト(CoAPO-5)など種々のメタロアルミノリン酸塩を親ゼオライトとした場合(izcMAP)でも,新規結晶が生成する可能性があると期待してしまう。

8.1 SAPO-5のizcMAP

SAPO-5ゼオライトで一般的なシリカの量SiO2/Al2O3=0.10(以下,SAPO-5(0.10)と表記)の親ゼオライトでは,ピロリジンによる水熱転換を行っても,1日後にソーダライト(SOD)が生成するだけであった。izcMAPの条件検討を兼ねるつもりで,SAPO-5のケイ素の量を減らしたところ,ソーダライトとともに見慣れないXRD回折ピークが現れ,SAPO-5(0.01)までシリカの量を減らすと,ソーダライトのピークは消え新しい回折ピーク(GAM-4)のみとなった(図9)。同じOSDA(ピロリジン)とトポロジー(AFI),さらに,わずか1/100のケイ素が骨格に入っているだけで,GAM-2とは違う別の子ゼオライト(トポロジー)へと変化する。この結果は,親ゼオライトから生成される「ナノパーツ」の構造が,化学組成に対して鋭敏に影響を受けることを示していると考えて良い。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図9. GAM-4のXRD回折チャート

経時変化を観測してみると,親ゼオライトであるSAPO-5由来のXRDピークは,1日目でGAM-4のピークへと変化し,5日目から不純物相に対応する回折ピークが見られる。先のGAM-2と比べるとSAPO-5の分解速度が速く,それに合わせたGAM-4の生成である。と言いたいが,GAM-4の収量はGAM-2よりも悪い。すなわち,分解速度が速いだけで生成速度が遅いmismatchの転換と言って良いだろう。

8.2 GAM-4の構造

結晶構造解析の結果,GAM-4は三斜晶系で空間群P1̅であり,a軸方向に10員環の一次元的な扁平(oval shape)の細孔を持っている(図10)。GAM-3とは異なり,骨格には4配位の他に5配位と6配位のAl原子を持つ新規ゼオライト類似物質31)であることが分かった。a軸方向から見ると4員環構造を見ることができる。この4員環に着目して,b軸方向からの図を見ると,4員環がつながっているように見える。これは「dzc」(上記)で,半周期ズレながら並列に並んでおり,GAM-4の10員環の直線的な細孔内は蛇腹状になっている。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図10. GAM-4の構造 ((a)a軸方向,(b)b軸方向,(c)c軸方向)

8.3 GAM-5ゼオライト

「AlPO4-5 → GAM-2」,「SAPO-5 → GAM-4」のゼオライト水熱転換の結果から,同一トポロジーの親ゼオライトであっても,化学組成の違いにより異なる子ゼオライト(類似物質)が生成することが分かった。そこで,同じOSDAを使ったizcMAPをCoAPO-5(AFI)に対して行い,親ゼオライトの化学組成の違いによる子ゼオライト構造への影響について検討を行った。CoAPO-5(0.10)の場合,含有するコバルトの量を減らしても,ピロリジンではCoAPO-21しか得られなかった。既報26)にあるようにAlPO4-21は,焼成によりAlPO4-25へ構造が変化する。CoAPO-5から生成したCoAPO-21(AWO: GAM-5P)も,焼成によりCoAPO-25(ATV: GAM-5)へと同じ構造変化が起こった(図11)。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図11. CoAPO-5およびGAM-5P (AWO)とGAM-5(ATV)のXRDチャート

既知のトポロジーであるAWO型が生成した訳だが,IZAのHPを見てみるとCoAPO組成のAWO型,すなわちCoAPO-21,さらには骨格構造が変化したCoAPO-25(ATV)は記載されていないため,GAM-5PおよびGAM-5も立派な新規物質と我々は認識しおり,GAMファミリーに入れている。

上記GAM-4もそうであったが,izcMAP法では親ゼオライトの化学組成によって,敏感に子ゼオライトの構造が左右されることが分かった。次のGAM-6では,さらにOSDAの炭素数にも鋭敏に反応していることから,izcMAP法の特徴の一つと結論付けても良さそうである。

8.4 GAM-6

これまでOSDAとして使用したピロリジン(ヘテロ5員環)に代わり,ヘテロ6員環であるピペリジンをOSDAとしてCoAPO-5(CoO/Al2O3=0.10)ゼオライトに対しizcMAPを行った。その結果,GAM-5P (AWO)とは全く違う層状化合物のようなXRD回折ピークを示す結晶,GAM-6を得た。焼成条件を種々検討した結果,350°C,24時間の焼成によりOSDAを除去したopen-frameworkなGAM-6を得ることができた。SEM像から六角柱状のCoAPO-5が消失し,GAM-6の六角板状のモルフォロジーを確認した(図12)。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図12. CoAPO-5とGAM-6(焼成後)のXRDチャートおよびSEM像

8.5 GAM-6の構造

結晶構造解析の結果,GAM-6は10員環2次元細孔を有する多孔質結晶であり,[100],[010]と[110]方向に細孔チャネルが存在している。GAM-6の空間群は,P6322で六方晶系であることからc軸を軸として60°回転するごとに,同じ10員環細孔が現れる。骨格を形成するAl原子は6配位と4配位のサイトがそれぞれ二つ(計四つ)あることから,GAM-4と同様に新規ゼオライト類似物質であることが分かった(図13)。

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図13. GAM-6の構造((a)[110]方向,(b)c軸方向,(c)a軸方向,(d)b軸方向)

GAM-6のXRDパターンや六角板状のモルフォロジー,さらには骨格構造をみると,c軸に対して層状のアルミノリン酸塩,すなわち2Dゼオライト32)が積層した骨格構造がas-synthesisなGAM-6であると連想させるが,結晶構造解析および分光測定からは,これを結論付ける結果は得られていない。

8.6 GAM-6の特徴

GAM-6の窒素吸着測定から,マイクロ孔特有のⅠ型の吸着等温線が得られ,多孔質材料特有の性質を示した。NH3-TPD測定による固体酸の性質について,GAM-4は,SiO2/Al2O3=0.01とシリカの量がとても少ないため,酸点から脱着したNH3分子と断定するには無理のあるチャートを示したが,GAM-6は,CoO/Al2O3=0.10であることから,図14のようなNH3-TPDチャートを得ることができた。得られたチャートは四つのピークに波形分離することができ,低温側の二つのピークを物理吸着由来,高温側の二つのピークを化学吸着(Brønsted酸点由来)と考えている。また,GAM-6のUV-vis.測定を行ったところ,250~450 nmに三価の四面体コバルト由来の吸収帯が観測された33)

Zeolite 38(3): 71-82 (2021)

図14. GAM-6のNH3-TPDチャート

以上,結晶構造解析,NH3-TPDおよびUV-vis.の結果から,GAM-6骨格中のコバルト原子は,二つ存在する4配位サイトに点在し,固体酸点を発現していると考えられる。

9. おわりに

当研究室で発表した新規ゼオライト(GAM-2およびGAM-3)と新規ゼオライト類似物質(GAM-4およびGAM-6)について,現時点で記述可能な部分をまとめてみた。誠に身勝手な表記の仕方と論理を展開したと思うが,ご容赦いただきたい。また,GAM-4以降については,論文として未発表のため,具体的な図や数値を避けて記述している所が多いと思うが,論文が発表されたら,ぜひ一読していただけると幸甚である。これを機に,種々の親ゼオライト達から新しいchildrenが誕生することに期待したいと思う。

「ゼオライト水熱転換法」の最大の利点は,原料の分子(骨格)構造が分かっていることである。たとえ既知のゼオライトへと転換したとしても,それらの研究結果を蓄積することで,近い将来,作りたい骨格構造を入力すればAIが合成レシピを出してくれる。そのような「ゼオライトのテーラーメイド合成」が可能な未来に向けて,一役を担っていきたい。

謝辞Acknowledgments

GAM-3ゼオライトおよび多孔質結晶(GAM-4)の水吸着測定を行っていただいた,北九州市立大の山本勝俊教授にお礼を申し上げます。また,新しいゼオライトや多孔質結晶たちと出会うため,日々研究室で活動をしてくれた当研究室の学生さん全てに感謝致します。

引用文献References

1) 窪田好浩,稲垣怜史,中澤直人,ゼオライト,36, 115(2019).

2) 窪田好浩,ゼオライト,22, 114(2005).

3) M. Dusselier, M. E. Davis, Chem. Rev., 118, 5265(2018).

4) C. Li, M. Moliner, A. Corma, Angew. Chem. Int. Ed., 57, 15330(2018).

5) 板倉正也,近江靖則,井出裕介,定金正洋,佐野庸治,ゼオライト,27, 74(2010).

6) 佐野庸治,触媒,53, 392(2011).

7) 佐野庸治,津野地直,触媒,60, 240(2018).

8) 佐野庸治,ゼオライト,36, 125(2019).

9) M. Itakura, T. Inoue, A. Takahashi, T. Fujitani, Y. Oumi, T. Sano, Chem. Lett., 37, 908(2008).

10) N. Martín, M. Moliner, A. Corma, Chem. Commun., 51, 9965(2015).

11) K. Muraoka, Y. Sada, A. Shimojima, W. Chaikittisilp, T. Okubo, Chem. Sci., 10, 8533(2019).

12) W. J. Roth, P. Nachtigall, R. E. Morris, P. S. Wheatley, V. R. Seymour, S. E. Ashbrook, P. Chlubná, L. Grajciar, M. Položij, A. Zukal, O. Shvets, J. Čejka, Nat. Chem., 5, 628(2013).

13) K. Komura, Y. Horibe, H. Yajima, N. Hiyoshi, T. Ikeda, Dalton Trans., 45, 15193(2016).

14) S. I. Zones, J. Chem. Soc. Faraday Trans., 87, 3709(1991).

15) Y. Kubota, S. Tawada, K. Nakagawa, C. Naitoh, N. Sugimoto, Y. Fukushima, T. Hanaoka, Y. Imada, Y. Sugi, Micropor. Mesopor. Mater., 37, 291(2000).

16) R. K. Ahedi, Y. Kubota, Y. Sugi, J. Mater. Chem., 11, 2922(2001).

17) R. K. Ahedi, Y. Kubota, Pusparatu, Y. Sugi, Bull. Chem. Soc. Jpn., 76, 883(2003).

18) Y. Kubota, H. Maekawa, S. Miyata, T. Tatsumi, Y. Sugi, Micropor. Mesopor. Mater., 101, 115(2007).

19) N. Nakazawa, T. Ikeda, N. Hiyoshi, Y. Yoshida, Q. Han, S. Inagaki, Y. Kubota, J. Am. Chem. Soc., 139, 7989(2017).

20) P. S. Wheatley, P. C-. Eliášová, H. Greer, W. Zhou, V. R. Seymour, D. M. Dawson, S. E. Ashbrook, A. B. Pinar, L. B. McCusker, M. Opanasenko, J. Čejka, R. E. Morris, Angew. Chem. Int. Ed., 53, 13210(2014).

21) R. E. Morris, J. Čejka, Nat. Chem., 7, 381(2015).

22) S. A. Morris, G. P. M. Bignami, Y. Tian, M. Navarro, D. S. Firth, J. Čejka, P. S. Wheatley, D. M. Dawson, W. A. Slawinski, D. S. Wragg, R. E. Morris, S. E. Ashbrook, Nat. Chem., 9, 1012(2017).

23) K. G. Strohmaier, Zeolites in Catalysis, Eds. by J. Čejka, R. E. Morris, P. Nachtigall, The Royal Society of Chemistry, pp. 73–102(2017).

24) Y. Umehara, M. Itakura, N. Yamanaka, M. Sadakane, T. Sano, Micropor. Mesopor. Mater., 179, 224(2013).

25) K. Komura, H. Aoki, K. Tanaka, T. Ikeda, Chem. Commun., 56, 14901(2020).

26) L. Xiao, J. Li, X. Shen, J. Yu, W. Pang, R. Xu, Micropor. Mesopor. Mater., 84, 21(2005).

27) I. Goto, M. Itakura, S. Shibata, K. Honda, Y. Ide, M. Sadakane, T. Sano, Micropor. Mesopor. Mater., 158, 117(2012).

28) C. M. Z. Wilson, F. Gandara, A. Monge, M. A. Camblor, J. Am. Chem. Soc., 132, 3461(2010).

29) J. K. Lee, A. Turrina, L. Zhu, S. Seo, D. Zhang, P. A. Cox, P. A. Wright, S. Qiu, S. B. Hong, Angew. Chem. Int. Ed., 53, 7480(2014).

30) Ch. Baerlocher, L. B. McCusker, D. H. Olson, Atlas of Zeolite Framework Types, 6th ed., Elsevier, Amsterdam (2007).

31) C. Zheng, Y. Li, J. Yu, Scientific Data, 7, 1(2020).

32) W. J. Roth, J. Čejka, Catal. Sci. Technol., 1, 43(2011).

33) L. M. Kustov, A. L. Kustov, V. B. Kazansky, Mendeleev Commun., 28, 354(2018).

This page was created on 2021-07-21T13:33:02.529+09:00
This page was last modified on


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。