日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 38(2): 41 (2021)
doi:10.20731/zeoraito.38.2.41

レポートレポート

第36回ゼオライト研究発表会の開催報告

東京大学大学院工学系研究科

発行日:2021年4月15日Published: April 15, 2021
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第36回ゼオライト研究発表会が令和2年11月19日,20日の2日間にわたりzoomを用いたオンラインにて開催されました。全国から130名の方が参加され,例年より少ない2会場(A, B)に分かれて発表が行われました。発表の内訳は,特別講演2件,総合研究発表4件,一般研究発表48件の計54件でした。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりゼオライト研究発表会初のオンライン開催となりましたが,大きなトラブルもなく,各発表後には活発な議論が行われておりました。私自身もオンライン上での学会発表は初めてでしたが,対面と変わらぬ熱量のディスカッションを通じて,自分の研究をもう一度見つめ直すことができました。

1日目の午後には2つの特別講演を行っていただきました。まずは東ソー株式会社の吉田智氏が“酸素PSA用LiLSX吸着剤の開発~企業での研究開発紹介~”という題目でご講演され,実際に東ソー株式会社で行われた吸着剤開発の流れを紹介していただきました。生産技術の確立や特許の出願はこれまで大学での研究にしか触れていなかった私にとってあまり聞いたことのない話でしたが,企業での研究と大学での研究を対比させながら説明されていたため理解しやすく興味深いものでした。

2つ目の特別講演は早稲田大学の黒田一幸教授による“多孔体研究における無機合成化学の役割”という題目のご講演でした。黒田先生のこれまでの歩みを,“有機化学的にケイ酸塩を取り扱う”という独自の切り口で説明していただきました。有機化学・無機化学という既存の枠組みに囚われない黒田先生のご講演を聴いていると,研究における広い視野の重要性と今後のケイ酸塩研究の無限の可能性を再認識しました。

また,特別講演の後に,日本ゼオライト学会の会長である横浜国立大学の窪田好浩教授からご挨拶をいただきました。このような時代だからこそ新しい時流に乗り遅れないように,という激励のお言葉を聞いて,これからも研究活動に邁進しようという決意を新たにしました。例年とは異なる情勢下でもこのような貴重な場を企画・運営していただいた日本ゼオライト学会の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。どのような形になるかはわかりませんが,次回のゼオライト研究発表会に参加できる日を今から心待ちにしております。

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