日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 38(1): 1 (2021)
doi:10.20731/zeoraito.38.1.1

追悼追悼

故西村陽一さんを偲んで

日揮触媒化成株式会社営業企画グループ

発行日:2021年1月31日Published: January 31, 2021
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ゼオライト学会の前身となるゼオライト研究会の副会長,理事を務められました西村陽一さんが,昨年9月29日にお亡くなりになられました。享年88歳です。

Zeolite 38(1): 1 (2021)

故西村陽一さん

西村さんは,東京大学生産技術研究所(高橋研究室)に在職中の昭和41年にゼオライト合成に関連して日揮触媒化成(株)北九州事業所(当時は触媒化成工業(株)若松工場)を訪問されたこともきっかけの一つとなり昭和47年に弊社に入社され,特にゼオライトとそれを利用した弊社主力商品であるFCC触媒の研究開発,製造,営業部門の要職を務められました。当時ラボスケールで漸く合成できるようになったY型ゼオライトをトンオーダーで,しかもコスト競争力のある仕様で実製造すること,FCC装置の進化,Feedの多様化にあわせてゼオライトの改質を行うことなど,弊社のFCC触媒事業の発展に多大な貢献をされました。触媒と工業装置の発展が両輪となり産業がさらに発展していく中で仕事をしてこられたのではないかと思います。

退社後は,在職中に関係していたゼオライト,特にその触媒への利用について今後の展開も含めて整理することをライフワークの一つとされ,辰巳先生をはじめ大学の先生方と本を著されたり,論文の抄読,また岐阜大学産官学融合センター客員教授を務めたりといつもご年齢を感じさせずに精力的に活動をされておられました。特に工業触媒の開発・製造に実際に携わられた知見を活かし,産学連携にご活躍されていたのが印象的です。

西村さんは,私が入社して5年後には退職されましたが,後輩には非常にお優しい方で,私を含め若手の実験を褒めてくださったりアドバイスをくださったりしたことを忘れることができません。一昨年までは,年に1~2度食事をご一緒させていただいていました。その際,ゼオライトやFCC触媒関連の文献をお持ちになられ,昔話も含め色々とお話をしてくださいましたが,もうそれを聞くことができなくなったかと思うと寂しい気持ちでいっぱいです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

日揮触媒化成(株)営業企画グループ 白浜雄二

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