日本ゼオライト学会 刊行物

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター
Zeolite 37(2): 59-65 (2020)
doi:10.20731/zeoraito.37.2.59

解説

スーパーマイクロポーラスシリカ合成と応用

1慶應義塾大学理工学部 ◇ 〒223–8522 神奈川県横浜市港北区日吉3–14–1

2東京都立産業技術研究センター ◇ 〒135–0064 東京都江東区青海2–4–10

受理日:2020年3月2日
発行日:2020年4月15日
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多くの有機分子のサイズに相当する0.7~1.5 nmの細孔(スーパーマイクロ孔)では特異な分子吸着が期待され,細孔内で形成される粒子には顕著な量子サイズ効果が発現する。本解説では,スーパーマイクロ孔を有する多孔質シリカの合成法を示し,スーパーマイクロ孔に関連する多様な機能を紹介する。アルコキシシランの加水分解・重縮合を,短い炭素鎖長の界面活性剤を含む濃厚反応系で行うことで0.7~1.5 nmの平均細孔径をもつスーパーマイクロポーラスシリカ(SMPS)が得られる。分子サイズに近いスーパーマイクロ孔は,特定の分子を強く吸着するとともに,その蛍光特性を変化させる。また,スーパーマイクロ孔を反応場として合成される酸化物半導体量子ドットでは,粒径に応じたサーモクロミズムの発現や光触媒能の向上などのユニークな特性がみられる。

キーワード:二酸化ケイ素;スーパーマイクロポーラスシリカ;ゾルゲル法;蛍光分子;量子ドット

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