19th International Zeolite Conference(IZC’19)参加報告
東京工業大学物質理工学院応用化学系応用化学コース博士課程後期3年
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2019年7月7日から12日の6日間にわたって開催された19th International Zeolite Conference(IZC’19)に参加しました。会場となったパースは,オーストラリア西部に位置し,人口200万を超えるオーストラリア第4の都市です。また,「世界一美しい街」とも言われ,観光地としての人気が非常に高い都市でもあります。実際に,筆者らが宿泊していたホテルから学会会場までの街並みもとても綺麗で,夜にはイルミネーションなどの装飾がされている建物も見かけました。学会期間中は,日中の気温が20°C程度であり,朝晩は少し肌寒く感じるものの,比較的過ごしやすい気候であったため,美しい街並みを眺めながら会場へ行き来することができました。
学会では,Plenary lecture 5件,Keynote lecture 18件,Invited lecture 7件,一般の口頭発表206件,ポスター発表190件と多くの研究発表がなされました。進行は4~5部屋のパラレルセッションとなっており,ゼオライトのみではなく,多孔質材料全般について様々なセッションが設けられていました。実際に,最初のPlenary lectureは,上田渉先生による“Zeolite-type crystal structuring in complex metal oxide catalysts of group V and VI elements by unit-assembling”と題した,ゼオライト以外の多孔質材料についての講演でした。今なお新規構造が報告され続けているゼオライトですが,それだけではなく,金属酸化物を基本骨格とした複雑な多孔性結晶構造体の合成までもが可能になってきていることを知り,この研究分野の可能性の広さを痛感しました。期間中には,International Zeolite Association(IZA)による表彰も行われました。今回が初となるYoung Researcher Awardは,Manuel Moliner先生が受賞され,これまでAvelino Corma先生が務めていたIZA Ambassadorは,Wilhelm Schwieger先生へと引き継がれました。また日本からも,辰巳敬先生がIZA Honorary Membershipsを受賞されました。日本人の先生が世界でご活躍されている姿は,我々学生世代からすると遠い憧れの存在ではありますが,研究者を志すものとして,とてつもなく大きな目標でもあります。筆者自身も学部時代からゼオライトに関する研究を行っているため,いつかはこの分野に一石を投じることのできるような研究結果を報告できるよう精進しようと,気を引き締めることとなりました。
また,海外の方々との交流を持てることは,国際学会の醍醐味の1つであると思います。学会中のランチや学会後のディナーでは,海外の同世代の友人を作ることもできました。特にランチは,1会場での立食形式だったこともあり,様々な方々とお話する機会がありました。ポスターの展示会場もランチの会場と同じであったため,ポスター発表時間中に聞くことができなかったことなども気軽に質問することができ,より多くの情報を収集することができました。学生の立場でありながらこのような素晴らしい機会を与えていただけたことに感謝すると同時に,今後より一層研究に精を出し,次回20th IZC(スペイン・バレンシア)にも参加できるよう努力していきたいと強く思いました。
最後になりますが,本学会運営にご尽力された関係者の皆様に深く御礼申し上げます。
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