日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 36(4): 130 (2019)
doi:10.20731/zeoraito.36.4.130

レポートレポート

2019年度ゼオライトフォーラム参加報告

名古屋大学大学院工学研究科

発行日:2019年10月15日Published: October 15, 2019
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2019年6月7日に東京大学駒場Ⅱリサーチキャンパス生産技術研究所An棟において,2019年度ゼオライトフォーラム「多孔質材料の未来予想図」が開催されました。現在,筆者は,ゼオライト細孔に新奇活性点を能動的に創出し,それを触媒や吸着などを含むアプリケーションに展開すべく,名古屋大学大学院工学研究科の薩摩研究室で研究基盤を整備しています。しかし,筆者はアプリケーションに関して疎く,近年のゼオライトのアプリケーションに関する基礎を学ぶ必要性を感じ,今回のフォーラムに参加させていただきました。フォーラム初参加であり,少し緊張しましたが,簡単にその内容についてご報告いたします。

このフォーラムでは,ジョンソン・マッセイ・ジャパンの山田岳先生,ソウル国立大学のDo Heui Kim先生,東京大学の植村卓史先生の3名のご講演がありました。山田岳先生からは「ディーゼル排気後処理技術―課題とゼオライト技術の応用」という題目で多岐にわたる自動車用ゼオライト・アプリケーション例の“現状と展望”について,Do Heui Kim先生からは「Novel zeolite-based catalysts for the zero emission vehicles」という題目で現在Passive NOx AdsorberへのPdゼオライト適用研究の最近の成果および今後の展開について,植村卓史先生からは「ナノ空間で高分子を制御する」という題目で高分子合成への反応容器としてのアプリケーションなどについて講演していただきました。

これらのご講演を聴講することで,近年世界で注目されている環境・エネルギー問題に関して幅広く情報を収集できました。そのような問題を解決するための必要不可欠な因子をゼオライトやMOFの細孔構造がもつことも学べました。各先生のゼオライトやMOFの個性をアプリケーションに適用するノウハウのオリジナリティーは非常に高く,それらを目の当たりにして新しい研究の視野も得られました。自身の今後の研究に生かしていきたいです。

懇親会においては,東京大学の素敵なカフェにて,ゼオライト研究に携わる諸先生方や学生たちと楽しく,お酒を楽しむことができました。各々が独自で芽を出そうしている研究の進捗や共同研究に関する相談,外部資金をいかにとるか,いかにして研究室を運営していくべきかなど,幅広い内容を“つまみ”として語り合うことができ,非常に楽しく勉強できました。フォーラムやシンポジウムというと,「世界先駆の研究者の発表を聞いて学ぶ」イメージが強かったのですが,その懇親会は身近な研究者たちとの情報交換の場として非常に有用であるということを初めて知りました。これからは積極的にこのようなフォーラムに参加し,科学者として成長する場として活用していきたいです。

このような非常に有意義なフォーラムを開催いただきまして誠にありがとうございました。ご尽力いただきました関係者の皆様に深く感謝いたします。

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