第34回ゼオライト研究発表会報告
産業技術総合研究所
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第34回ゼオライト研究発表会が平成30年11月29,30日の2日間にわたり北海道函館市の函館アリーナにて開催されました。全国から162名の方が参加され,例年通り3会場(A, B, C)に分かれ発表が行われました。今回の講演の内訳は,総合講演5件,一般講演57件の合計62件の研究発表と特別講演1件でした。
個人的な話で恐縮ですが,学生時代に所属していた研究室ではゼオライト研究発表会に参加していたメンバーがいたものの,私自身は参加の機会がなく,学位取得から7年目にして当方初めてのゼオライト研究発表会への参加となりました。遅ればせながらゼオライト研究発表会に参加して改めて感じたことは,ゼオライトやメソ多孔体の研究の幅広さ・奥深さです。研究発表会の告知にも「研究の基礎から応用まで」との記載がありますが,新規材料の合成や原理解明,構造解析,分離,触媒,エネルギー応用など,多種多様な研究についての発表を拝聴することができ,私自身もっと視野を広く持って研究に取り組んでいかなければならないと,決意を新たにいたしました。
今年度の特別講演は,広島大学の佐野庸治先生による「耐久性ゼオライトの合成―脱アルミニウムとの戦い―」という題目のご講演でした。佐野先生のご発表では,ゼオライトを工業的に利用する際に課題となる脱アルミニウム挙動の分析や,ゼオライトを原料として異なる構造のゼオライトを合成するゼオライト水熱転換法,さらにはその際にリンを含有する有機構造規定剤を利用して合成できるリン修飾小細孔ゼオライトとそのNH3-SCR特性など,長年のご研究の成果を惜しみなく披露していただきました。
また,初日夜の懇親会では研究発表をされた方とディスカッションをしたり,恩師や同門の先輩・後輩を含めた多数の方々と歓談の時間を持つことができたりと,大変充実した時間を過ごしました。
最後となりますが,初めてのゼオライト研究発表会への参加は今後の自身の研究活動を進めていく上で,学術的な知見を多数得ることができた一方,人的な交流を深めることができ,大変有意義な時間となりました。このような場を企画・運営していただいた日本ゼオライト学会の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。次回のタワーホール船堀での研究発表会にも参加して研究発表ができるよう,日々の研究活動に邁進してきたいと思います。
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