日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 36(1): 22 (2019)
doi:10.20731/zeoraito.36.1.22

レポートレポート

Pre-symposium of ZMPC2018参加報告

東京大学大学院工学系研究科

発行日:2019年1月31日Published: January 31, 2019
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Pre-symposium of ZMPC2018参加報告

2018年8月4日にPre-symposium of ZMPC2018が東京(東京工業大学田町キャンパス)で開催されました。本シンポジウムにおいては8名の招待講演者から最新の研究成果についての発表があり,約80名の参加者による活発な議論が行われました。私の個人的な印象としては,比較的若手の新進気鋭の研究者が多かったように感じ,ZMPC2018の前哨戦として非常に充実した内容でした。具体的には,Dr. Sazamaからはゼオライトを鋳型に用いて調製した新規カーボン材料の触媒特性,またDr. Miglioriからはフェリエライトゼオライト触媒による二酸化炭素を用いたDME合成反応の検討,Prof. Gounderからはニッケルイオン交換ベータ型ゼオライトにおけるエチレンの二量化反応のメカニズムの解明,Dr. Pidkoからはゼオライト触媒中のアルキル化反応のおける影響因子の検討,Dr. Parvulescuからは最近のゼオライトの実用プロセスへの応用,Prof. Choiからはゼオライトに担持した白金触媒上の水素スピルオーバー効果,Dr. Flahertyからは多孔質材料中に担持された遷移金属種によるエポキシ化反応のメカニズム,Prof. WakiharaからZSM-5ゼオライトの超高・合成に関するご講演がありました。

Zeolite 36(1): 22 (2019)

発表内容において特に印象深かったのはPurdue Universityからお越しのProf. Gounderのご講演でした。Prof. Gounderは様々な工業的に重要なゼオライトを用いた固体反応のメカニズム解明のスペシャリストであり,今回のご発表は骨格構造や共存元素が触媒活性に与える影響に関して詳細に解析しエチレンの二量化反応のメカニズムを解明したというものでした。様々な分析を駆使することで反応メカニズムが明らかになる様は圧巻でした。

また,BASF社のDr. Parvulescuからゼオライトの産業界における様々な役割や今後の展望に関する興味深いご講演があり,ゼオライトの合成に関わっているものとして非常にモチベーションの高まる内容でした。ゼオライトが工業用途において非常に重要な材料であるために,企業の研究者も含めて非常に活発な議論を行うことができることがこの分野の大きな強みの一つであると改めて感じました。

シンポジウム後の懇親会においても,ご講演いただいた先生方も含めて海外からの学生にも多数ご参加いただき,非常に大盛況な会となりました。私はProf. GounderとProf. Choi先生と同席になり,いろいろと研究の裏話等を聞かせていただきました。お二人はUniversity of California at BerkeleyのProf. Iglesia研究室に同時期に在籍しており,当時の研究室の話なども含めて若手の気鋭の研究者の話をいろいろと伺い非常に刺激になりました。

このような非常に有意義なシンポジウムを開催いただきまして,ご尽力いただきました関係者の皆様には深く感謝いたします。

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