日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
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Zeolite 35(1): 40 (2018)
doi:10.20731/zeoraito.35.1.40

レポートレポート

第33回ゼオライト研究発表会報告

豊橋技術科学大学

発行日:2018年1月15日Published: January 15, 2018
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第33回ゼオライト研究発表会が平成29年11月30日,12月1日の両日にわたり岐阜県岐阜市長良川国際会議場にて開催されました。全国からは150余名の方が参加され,例年通り3会場(A, B, C)に分かれ発表が行われました。今回の公演内訳は,総合講演が8件,一般講演が79件,それに加え特別講演が2件でした。私にとってゼオライト研究発表会への参加は,今回が初めての機会でした。私は3会場すべてに参加し,そこで行われていた色の異なる研究発表や活発な議論を通じ,日本ゼオライト学会の強い活気を感じました。さらに発表の機会では,普段私が参加している学会とは異なった角度からの質疑やコメントを頂戴し,新たな視点より自身の研究を見直す良い機会となりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

今年度の特別公演は,まず岡山大学の黒田泰重教授よる「ゼオライト空間を利用した新奇電子状態の創出とその起源」という題目のご講演でした。そのご講演では,銅イオン交換および亜鉛イオン交換MFI型ゼオライト内での交換性カチオンとゼオライト骨格とが成す特異な電子状態について,実験と計算化学の両者から行われた研究成果を紹介されておりました。私はそれを通じ,400年以上も研究されているゼオライトの更なる可能性,またこれから基礎から応用までゼオライトを研究していく上での課題点などについて再認識いたしました。

次に二つ目の特別講演は,清水清三郎商店の清水慎一郎様による「鈴鹿の酒造り」という題目のご講演でした。その講演では,ゼオライト膜を利用し水分だけを取り除き,アルコール成分だけでなく日本酒のもつ旨味・香りの成分を2倍に濃縮した酒「concentration作凝縮H」について,日本の酒造りのルーツや歴史と共に変化した酒の文化を交えて紹介されていました。食をより豊かにする酒に関して,その歴史を交え学べたことは,新たな発想を刺激し,また温故知新の精神を再認識させてくれる良い機会となりました。

Zeolite 35(1): 40 (2018)

懇親会の様子と振舞われたConcentration作

最後に,ゼオライト学会に初めて参加した二日間は,新たな研究の刺激と交流を得ることの出来た場でもあり,非常に有意義な学会参加となりました。そして来年度,函館で開催される第34回ゼオライト研究発表会を今から楽しみにしております。

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