日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
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Zeolite 33(4): 133-134 (2016)
doi:10.20731/zeoraito.33.4.133

レポートレポート

ゼオライト夏の学校 報告

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系

発行日:2016年10月15日Published: October 15, 2016
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Zeolite 33(4): 133-134 (2016)

第24回ゼオライト夏の学校は2016年8月30日~9月1日に東京都八王子市,大学セミナーハウスにて開催されました。台風接近の影響が心配される中,6名の講師の先生方を含む60名(うち学生41名)が参加し,ゼオライトの基礎から応用まで幅広い内容の講演が行われました。

初日,最初は東京工業大学の多湖輝興先生が「ゼオライト触媒による反応を反応工学に基づき解析・考察する」と題して,触媒反応における反応速度解析の方法についてご講演くださりました。細孔内の拡散抵抗や境膜の物質移動抵抗を身近な例を交えながらお話くださり,とても分かりやすく感じました。

次に「天然ガスを原料とする化学プロセス・触媒の開発動向」という題目で日揮株式会社の本田一規先生が石油化学製品の単産プロセスの開発動向についてプロセス評価の実例を含めてご講演くださりました。実用化触媒の設計方針は普段の研究にはないアイディアであり大変興味深かったです。

初日の夕食後には懇親会が行われました。他大学の学生や先生方,また企業の方々とお話しする機会を頂き,親睦を深めることができました。

Zeolite 33(4): 133-134 (2016)

2日目は,まず横浜国立大学の窪田好浩先生が「有機の構造規定剤を用いるゼオライト合成の基礎知識」という題名で,ゼオライトやメソポーラスシリカの合成法や有機構造規定剤による構造制御ついて詳細にお話しくださりました。合成過程での微視的な挙動や有機構造規定剤設計の今後の展望について詳細にまとめられたお話を拝聴し非常に感銘を受けました。

次に産業総合技術研究所の遠藤明先生が「ガスおよび蒸気吸着によるナノ多孔質材料の細孔特性評価」と題して,ガス吸着における実験操作の注意点および解析法をIUPACの最新情報とともにご講演くださりました。前処理や死容積測定の順序によってごく低圧部の吸着挙動が大きく変わるというお話がとても印象的でした。

午後からは学生による32件のポスター発表が開かれ,会場のいたるところで活発な議論が交わされておりました。発表を通して得られた意見や提案は研究活動のモチベーション向上につながったことと思います。参加者の投票によるポスター賞(高石賞)には横浜国立大学の中澤直人さん,広島大学の山崎義貴さんが選ばれました。

3日目は,始めに「XAFSによる多孔体の構造解析―Y型ゼオライトの包接化合物を例に―」と題して工学院大学の奥村和先生が,XAFSの測定・解析について基礎的な話や貴金属担持ゼオライトを用いた測定例,さらには最近取り組まれている研究についてご講演くださいました。測定手法やその長所・短所を丁寧に解説いただき,本法に疎い筆者にとっても非常にわかりやすく,大変勉強になりました。

次に,芝浦工業大学の野村幹弘先生が「実用化に向けたゼオライト膜の基礎から最前線」という題名で,蒸留・膜分離に関する基礎から分離膜の特性評価などについてご講演くださりました。分離膜の透過機構についてのお話はもちろんのこと研究の進め方や俯瞰的視野を持つことの重要性など若い研究者に向けた熱いお言葉がとても印象深かったです。

本夏の学校では,ゼオライトの合成・分析・利用に関する幅広い知見を講演や懇親会を通じ学ぶことができ大変充実した時間を過ごすことができました。講演してくださった6名の講師の方々,運営に携われた方々,また参加された皆様のおかげで非常に有意義な経験をすることができました。本当にありがとうございました。

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