日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター Japan Zeolite Association Academy Center, 358-5 Yamabuki-cho, Shinju-ku, Tokyo 162-0801, Japan
Zeolite 33(1-2): 46 (2016)
doi:10.20731/zeoraito.33.1.46

レポートレポート

第31回ゼオライト研究発表会報告

東京大学大学院工学系研究科 大久保・脇原研究室 D1

発行日:2016年4月15日Published: April 15, 2016
HTMLPDFEPUB3

第31回ゼオライト研究発表会は平成27年11月26日,27日の二日間にわたり鳥取県鳥取市とりぎん文化会館にて開催されました。全国から184名(会員93名,非会員6名,学生39名,招待講演者5名など)の参加者が集まり,例年通り3会場(A,B,C)に分かれて発表が行われました。今回の講演の内訳は総合講演12件,一般公演60件,特別企画3件の合計75件の研究発表と2件の特別講演が行われ,活発な発表及び質疑応答が行われておりました。私も含めた学生の発表では諸先生方から多くのコメントをいただくことができ,科学的なディスカッションを通じて自分の研究の課題について再認識させられました。一学生として御礼申し上げます。

今年度の特別講演ではまず東京大学生産技術研究所の小倉賢准教授が「ゼオライトの特徴を活かしたディーゼル自動車排ガスのクリーン化」という題目でご講演されました。小倉先生の発表ではゼオライトを自動車排ガス触媒として応用する際の技術的な課題やそれに対する実験・理論的検討について紹介されておりました。窒素酸化物が希薄にしか存在しないという困難な反応条件下で最適なシステムを構築しようとする試みにゼオライトの重要性を再認識しました。

Zeolite 33(1-2): 46 (2016)

小倉先生の特別講演

二つ目の特別講演では北海道大学触媒研究センターの福岡淳教授が「多孔性固体触媒によるバイオマス変換と食品貯蔵」という題目で発表をなされました。この講演を通じてこれまで福岡先生が取り扱ってこられた固体触媒研究(Pt担持メソポーラスシリカを用いたエチレン分解や炭素系固体酸を用いた木質系バイオマスの分解処理など)について学ぶことができました。ゼオライト研究を行っているとどうしてもゼオライトに関することのみを考えがちですが,本発表は他の触媒材料と触れあえる格好の機会となりました。

このほかにも今発表会では特別企画「鳥取・島根のゼオライト研究最前線」が初日の午後にB会場で行われ,鳥取大の伊藤先生,木下先生及び島根産業技術センターの田島先生からゼオライトやその他多孔質材料を応用した様々な研究についての発表がなされました。

ゼオライトに関する勉学と鳥取の蟹とで学問・食欲の秋を十分満喫し,鳥取空港から帰京の飛行機に乗ることができました。来年はまた船堀タワーホールで研究発表を聴講できるものと今から大変楽しみにしております。

This page was created on 2017-03-06T17:35:21.367+09:00
This page was last modified on


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。