日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 32(3): 92 (2015)
doi:10.20731/zeoraito.32.3.92

レポートレポート

Pre-Symposium of ZMPC2015参加報告

東京大学生産技術研究所 M2

発行日:2015年9月10日Published: September 10, 2015
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東京大学生産技術研究所にて,去る2015年6月26日(金)~27日(土),Pre-Symposium of ZMPC2015が開催されました。本会は,同6月28日(日)~7月2日(木),札幌にて開催されたZMPCに先立って行われたものです。“Zeolites for SCR”という副題が示す通り,ディーゼル車から排出されるNOx(窒素酸化物)を銅イオン交換ゼオライトによって分解するSCR(Selective Catalytic Reduction)法に焦点を当て,活発な議論が行われました。参加者は一般企業(日本)14名,大学教員9名,学生17名,海外教員3名,海外企業2名,海外学生10名,講師6名が集まり,計61名でした。

講師として登壇されたのはAcademy of Sciences of the Czech RepublicよりJ. Dedecek博士,Haldor Topsoe社よりP. N. R. Vennestrom博士,Instituto de Tecnologia QuimicaよりM. Moliner博士,University of DelawareよりR. F. Lobo教授,BASF SE社よりU. Müller博士の5名でした。

Zeolite 32(3): 92 (2015)

J. Dedecek博士の講演はハイシリカゼオライト中のAl分布に関するもので,コバルトイオンなどの多価カチオンをプローブとして用いてAlの位置や性質を決定する方法について述べられました。また,P. N. R. Vennestrom博士とR. F. Lobo教授はSCRの触媒サイクルについて,M. Moliner博士はSSZ-13に代わるSCRに有用な新規ゼオライト合成の現状について,U. Mueller博士はSCR触媒の歴史の概観と展望について,それぞれ述べられました。各講演終了後には,各国の参加者から積極的な質問が飛び交い,白熱した議論が展開されていました。

また,講演に加え,本会主催の小倉 賢准教授,早稲田大学の福間隆雄客員教授から,国内では珍しい産官学のコラボレーション,AICE(自動車用内燃機関技術研究組合)についての解説が行われました。研究内容に関するものではありませんでしたが,参加者は聴き入っており,期待の高さを窺わせました。

初日の講演終了後,参加者全員に寿司と天ぷらをメインとするディナーが振る舞われました。その場で握る寿司・その場で揚げる天ぷらは(日本人の舌にも)非常に美味で,講師の方々のみならず,海外からの参加者に特に喜ばれました。「こんなに長いShrimp dinosaurは見たことがないよ!」とは某講師の方の言。

さらに,二日目の講演終了後には東京観光を行い,参加者どうし親交を深めました。移動中にバスガイドさんのお話を英訳して伝えたり,皆で浅草寺や浜離宮庭園を散策したりと,普段の研究活動ではなかなかできない経験ができました。浅草寺のおみくじで二回連続「凶」を引いてしまった某講師の方がショックを受けてしまうなど,微笑ましい場面も見られました。

本会は東京大学生産技術研究所の小倉 賢准教授によって主催されました。特段大きな問題もなく盛会のうちに終えることができたことに対し,同研究室のひとりとして,講師の方・参加者の方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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