6th International FEZA Conference(FEZA 2014)参加報告
広島大学大学院 工学研究科 博士課程後期2年
© 2014 ゼオライト学会© 2014 Japan Association of Zeolite
2014年9月8日~11日の日程で標記学会がライプツィヒ(ドイツ)のライプツィヒ大学で開催されました。日本では残暑が続いておりますが,現地の最高気温は20度程度と,快適な日々となりました。ライプツィヒは音楽の街として知られ,会場に隣接するゲヴァントハウス・コンサートホールを筆頭に,市街各地に音楽にゆかりの深い歴史ある建築物が多数見受けられました。
今回のFEZA 2014は各国から多数の参加者を集め,盛大な学会となりました。Audimaxと呼ばれる大ホールを含む3つの講演会場でFEZA AWARD LECTURE 1件,Plenary lecture 4件,Keynote lecture 12件,Oral 76件の各講演とRecent Research Reportを含むPoster発表397件が行われました。発表分野はゼオライト,メソ多孔体およびMOFの新規材料合成をはじめ,分析および計算による特性・構造解析や工業的用途を含む吸着・分離,触媒機能の調査など多岐にわたっており,基礎から応用までを網羅した多孔体研究の奥深さおよび重要性を改めて実感いたしました。その中でも,著者はPlenary lectureであった,Prof. Jiri CejkaとDr. Petr Nachtigallの,2次元前駆体を用いた新規ゼオライトの合成に関する講演などを大変興味深く聞かせていただきました。さらに,講演の中には自動車触媒やバイオマス転換など環境,エネルギー分野への応用研究が多く,より実用的な用途へ向けた研究への盛り上がりを感じました。各講演後の質疑応答では予定時間を押してまで,非常に活発な議論がなされていました。
ポスター発表は9,10日の二日間で行われ,2階に分かれた会場内の廊下に,1日に200件ものポスターが立ち並び,ここでも参加者による熱心な議論が行われ,しばしば通行が困難になるほど盛況な状態でした。
9日には会場近くの地下レストランMoritzbasteiにてFEZA Partyが,10日には郊外のParkschloss LeipzigにてConference Dinnerが行われました。Conference DinnerではValentin Valtichev博士,Svetlana Mintova博士の両名に,Cronstedt男爵の名を冠したFEZA Prizeが贈られました。壇上でジャズの演奏もあり,素晴らしい音楽,料理,お酒を楽しみながら,かなり夜遅い時間まで交流を深めました。
最終日のClosing Ceremonyでは,5件のPoster Awardが発表されました。ヨーロッパ圏の研究者が受賞されるなかで,産業技術総合研究所の遠藤明博士がRoyal Society of Chemistry(PCCP)賞を受賞され,学会参加者を含め,日本のゼオライト研究に携わる者にとって大変喜ばしいニュースをお聞きできました。
次回の7th FEZAは2017年にブルガリアのソフィアにて開催が予定されています。
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