日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター Japan Zeolite Association Academy Center, 358-5 Yamabuki-cho, Shinju-ku, Tokyo 162-0801, Japan
Zeolite 31(4): 131-142 (2014)
doi:10.20731/zeoraito.31.4.131

解説解説

ゼオライトの欠陥制御を鍵とする新しいチタノシリケート系高性能触媒の創製Creation of New High-performance Titanosilicate Catalysts through the Control of Defect Sites as a Key Factor

横浜国立大学大学院工学研究院Division of Materials Science and Chemical Engineering, Yokohama National University ◇ 〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5

受理日:2014年9月2日Accepted: September 2, 2014
発行日:2014年12月10日Published: December 10, 2014
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MSE骨格をもつ新規有機・無機複合体YNU-2Pの合成に成功した。YNU-2Pの骨格は欠陥を多数含み,そのままでは有機物を除去して多孔体に導くことができなかったが,スチーミング処理によるシリケート種のマイグレーションで欠陥が一部修復され,焼成を経て純シリカ組成のミクロ多孔体YNU-2が得られた。次いで骨格に残存する欠陥にTiを導入し,新規チタノシリケートTi-YNU-2を得た。その際,触媒調製条件,特にスチーミング条件の最適化により,過酸化水素を酸化剤とするフェノール酸化触媒としての高性能化に成功した。また,Ti-YNU-2の非常に高い活性・選択性の原因についての仮説を提唱した。

A highly crystalline composite of pure-silica MSE-type precursor with organic structure-directing agent (OSDA) was synthesized by the use of dry-gel conversion (DGC) method, and the material was named YNU-2P. Time-course investigation showed that *BEA phase appears at a very early stage of the crystallization followed by the transformation to MSE phase. The presence of significant site defects in the YNU-2P caused the collapse of MSE framework during calcination. The defects were partially filled up with Si by a steaming treatment, stabilizing the MSE framework. Complete removal of the OSDA by calcination gave a microporous pure-silica material YNU-2. The remaining site defects in the YNU-2 allow the atom insertion into the framework. After optimizing the conditions for steaming and vapor-phase TiCl4 treatments, an efficient introduction of Ti into the framework was successful to give a new microporous titanosilicate Ti-YNU-2. This material was proved to be a high-performance catalyst, exhibiting remarkably enhanced performance compared to Ti-MCM-68 that is known to show superior performance to TS-1 for phenol oxidation using H2O2 as an oxidant. A hypothesis explaining the reason for extremely high activity and selectivity was proposed.

キーワード:チタノシリケート;MSE型ゼオライト骨格;Ti-YNU-2;欠陥;スチーミング;過酸化水素;フェノール酸化

Key words: titanosilicate; MSE-type; Ti-YNU-2; defect; steaming; hydrogen peroxide; phenol oxidation

1. はじめに

規則性多孔体チタノシリケートは,過酸化水素(H2O2)を酸化剤とする各種有機基質の部分酸化反応に対して有効な触媒として知られている1–5)。構成原子の全てが酸素供給源となりうる酸素は理論的には理想の酸化剤であるが,液相での触媒反応ではH2O2水溶液もまた優れた酸化剤となりうる。H2O2は有効酸素の割合が47%と高く,また副生するのがH2Oであるため,有機合成反応において多用される有機過酸やアルキルヒドロペルオキシドなどと比較して環境負荷が低く,さらに取扱い上の利便性などからも,「グリーンケミカルプロセス」の実現に有望な酸化剤と言って間違いない6)。反応や基質の適用範囲を拡大するためには,オーダーメイドでシリケート骨格の最適化がなされるのが理想であるが,それはまだまだ夢であり,実際には既存あるいは新規の骨格について,チタノシリケート触媒としての可能性が個別に検討されるにとどまっている7–19)。しかしそれでも,骨格トポロジーだけでなくバルクあるいは原子レベルでの物性の違いも活性に大きく影響するため,既存の骨格であっても触媒調製法の工夫による高性能化が十分見込まれる。

筆者らは以前,新型の骨格であるMSEの固体触媒としての可能性について解説するとともに,この骨格をもつ新規物質YNU-2P(Yokohama National University-2-Precusor)20)とYNU-2(Yokohama National University-220)の挙動について紹介した21)。当時はまだ骨格へのヘテロ元素導入がほとんどできておらず,シリケート種のマイグレーションの制御が課題であった。その後,新しいチタノシリケートTi-YNU-2触媒の調製と,調製条件の最適化による触媒の高性能化に成功したので,その経緯についてここに紹介する。

なお,ゼオライト骨格の欠陥(defect)には「connectivity defect」,「site defect」,「stacking fault(planar defectの一種)」などがあり,ゼオライト触媒分野の論文で単に欠陥というとゼオライトに特有のconnectivity defectを指している事例が多いが,本稿では「欠陥」をvacancy defect(空格子点欠陥,原子空孔)に近い意味,すなわちsite defect(シラノールネストでもある)の意味で用いることとする。

2. MSE型ゼオライトの骨格構造と物質例

MSE型ゼオライト22)は,[001]に平行な酸素12員環ストレートチャンネルをもち,これに2つのうねった10員環チャンネルが交差した三次元大細孔ゼオライトである(図1A)。また,10員環の窓を介してのみアクセス可能なスーパーケージを有する23)。これらの細孔の様子を模式的に表したのが図1Bである。MSEの「Type Material」は米国Mobil(現ExxonMobil)社が開発したMCM-68ゼオライト(アルミノシリケート)であり24),その水熱合成の際には環状の四級アンモニウム塩N,N,N′, N′-tetraethyl-exo,exo-bicyclo[2.2.2]oct-7-ene-2,3:5,6-dipyrrolidinium diiodide(TEBOP2+(I)2)が有機の構造規定剤(OSDA)として用いられた。結晶化生成物であるアルミノシリケートのSi/Al比は9~12程度であり,合成ゼオライトの中では比較的Al含有量が多い。構造決定も同社の研究者らによってなされ23), International Zeolite Association(IZA)から骨格コード(Framework Type Code; FTC)としてMSE(MCM-Sixty Eight)が与えられている22)。IZAはまた,YNU-2を「Related Material」としてリストしている。さらに,UOP社が開発したUZM-3525)もMSEの一種である。このMSE骨格中には8種類のTサイトがある(図2)。ただし,Tサイトの番号づけには普遍的なルールはなく,出典によって番号のつけ方が異なることがあるので注意が必要である。例えば,図2に示した番号づけ20,26)はIZAのデータベースに示されたもの22,23)とは異なる。なお,図2に示すT6, T7の欠陥については5節および6.4節で述べる。

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図1 MSEの(A)[001]方向から見た骨格 および(B)細孔構造の模式図

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図2 MSEの8種類のTサイト およびYNU-2PにおけるOSDAの存在位置

3. 合成の自由度を妨げる要因とポスト処理による触媒開発

最近著者らのグループでは,MSE構造の新しい簡便な合成法と触媒化の方法27–29)を複数見出しているが,当初は合成条件の制約の多さから数々の壁にぶつかり手を焼いた。ただし,一般に応用研究の障害になりがちなOSDA合成については,我々はむしろ得意としており,スキーム1に示すようにdiiodide 4をdianhydride 1から3工程で合成し,さらにイオン交換でdihydroxide 5を得る手法を確立しているため,実験室スケールでは特に問題とはなっていない。まず問題となったのは,出発ゲル組成のウィンドウの狭さである23,30)。例えば,仕込みのSi/Al比は約10でなければならない。Si/Al>20, Si/Al<5などと変化させると,beta (*BEA)やZSM-12 (MTW)の相が現れる。また,アルカリ源はKでなければならず,Naを用いると*BEAやMTWの相が現れる。さらに,OSDAはiodideである必要があり,hydroxideであるとやはり*BEAやMTWが生成してしまう。このように,アルミノシリケートに限っても合成上の制約が非常に多く,ましてやアルミノシリケート以外の組成でMSEを直接結晶化させることはとうてい無理のように当初は思われた。実際,Ti源を出発ゲルに仕込んでもMSE型のチタノシリケートを結晶化させることはできなかった。一方,アルミノシリケートに限れば,Si/Al=9~12程度(ユニットセルを構成するT原子112個のうち,8.6~11.2個がAl)の範囲でしか結晶化しないことは,Al含有量が低すぎて骨格にAlを追加導入し難いケースに比べて,触媒調製上はむしろ好ましい。骨格構造を維持しつつ脱Al(骨格からのAlの脱離)さえできれば,他の金属への同型置換も可能だからである。このような考え方に基づき,酸処理による徹底的な脱Alとそれに続く骨格へのTi導入・熱処理などを経たTi-MCM-68触媒の調製と高性能化にすでに成功し,報告した31)。また,段階的な脱AlによってSi/Al比を制御したAl-MCM-68触媒の調製にも成功し,酸触媒として有望な結果を得ている32,33)。段階的な脱Alにおいては特に,骨格内Alの位置についても制御できている可能性があり,詳しく検討中である。これを契機として,ゼオライト科学における普遍的な課題,例えば,望むTサイトへのAl導入による酸性質および触媒性能の自在な制御といった課題の解決に迫れるかもしれない。ここまでは,MCM-68が本来持つ素性に逆らわない化学的なポスト処理を基軸とした触媒開発である。ただしこの時点で,結晶化に10日以上の加熱時間が必要であり,安全域を含めると16日程度必要であることが未解決の課題として残った。

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スキーム1 MSE型ゼオライト合成のためのOSDA合成ルート

4. 合成上の制約の打開策とYNU-2Pの発見

前節の検討と並行して,dry-gel conversion(DGC)法の一種であるsteam-assisted crystallization(SAC)法34)を用いたところ,Alを含まない出発ゲルから結晶性の非常に高い純シリカ組成の生成物が5日という比較的短時間で合成できることを見出した20)。粉末XRDパターンからは,MSE骨格をもつことが明らかであったが,特筆すべきはピークのシャープさで,従来のMCM-68の場合には分離しなかったピークがはっきり分離するほどであった。原子配列が長距離にわたって規則的であること,従来型MCM-68(結晶径<100 nm)と比較して大きな粒子径(数µm)を有することが原因と推測されるが,先に述べた合成上の制約を考えあわせ,マクロ物性や化学組成が従来型MCM-68とまったく異なるこの物質には独自の物質名をつけてよいと判断し,この有機・無機複合体をYNU-2Pと名づけた20,26)。YNU-2Pの結晶化初期には*BEAが現れることなどから,TEBOP2+を含む乾燥ゲル中に多く存在する4員環ユニットに由来してまず*BEA構造が形成され,この*BEAに含まれる4員環連結構造が水蒸気処理中に再配列することにより,同じく4員環連結構造をもつMSE構造に相転移するものと推測している21)

5. YNU-2Pから規則性ミクロ多孔体YNU-2への変換

YNU-2Pは得られたものの,有機物を常法で除いただけで規則性多孔体YNU-2を直接得ることは出来なかった。すなわち,400°C以上で焼成すると結晶構造が崩壊した20,26)。高分解能粉末X線回折データに基づく精密構造解析20)によれば,YNU-2PではMSEユニットセル内の8種類のTサイト(図2)のうちT6, T7サイトの充足率gがいずれも0.40と特に低く,T1, T3でそれぞれ0.84, 0.90, それら以外(T2, T4, T5, T8)では1.0であった。そして,ユニットセル(Tサイト総数112)あたり約13個の欠陥が存在し,OSDAが図2に示すように包接されて骨格を支えていた(産総研・池田拓史博士による)。10%を超える欠陥率であり,YNU-2Pの骨格構造が焼成により崩壊するのは,この欠陥の多さに起因する。

そこで,ポスト処理によりその欠陥サイトの修復を試みた。具体的には,1.0 mol L–1硝酸およびSi(OEt)4の混合物が入ったオートクレーブにYNU-2Pを懸濁させ,160°Cで24時間加熱した。その結果,ポスト処理後の固体試料は450°Cで焼成しても高い結晶性を示すMSE構造を保持するようになった。こうして,新しい規則性多孔体YNU-2が得られた。YNU-2Pに存在していた欠陥サイトには確かにSiが挿入されていた。したがって,ポスト処理による欠陥修復を経て熱的に安定なゼオライト骨格が形成されたと考えられる20,26)

この時点で,Si源ではなく各種のヘテロ元素源を用いることにより,アトムプランティングが可能ではないか,欠陥の多さを逆手にとってYNU-2Pが各種アトムプランティングの土台になり得るのではないかという着想を得たため,手始めにAlの導入を試みた。Si(OEt)4の代わりにAl(OEt)3を用いた類似の処理を行うと,やはり骨格の安定化が起こったものの,Alの導入量は極めて少なかった21)。つまり,骨格の安定化に寄与しているのは主としてSiであり,ここで,骨格Siのマイグレーションの可能性が浮上した。この骨格Siのマイグレーションを検証するために,系外からSi源もヘテロ元素源も添加せず,YNU-2Pを1.0 mol L−1硝酸中で加熱処理したところ,やはり焼成後にYNU-2が得られた。Si種のマイグレーション自体は比較的古くから知られている現象ではあるが,新規物質においてもこの現象を目の当たりにすることとなった。結局,YNU-2Pはスチーミング処理だけでも骨格が安定化することがわかり,29Si MAS NMRにおけるQ3ピークの減少などから,YNU-2PのSi種のマイグレーションが起きていることが明らかとなった26)

6. YNU-2へのTiの導入によるTi-YNU-2触媒の創製29)

YNU-2骨格へTiを導入する方法は複数考えられるが,我々はまず穏和な(ゆるい)スチーミング条件で必要最小限のSiマイグレーションを起こして骨格を安定化し,残存するできるだけ多くの欠陥にTiを導入するという方針をたてた。Ti導入には,TiCl4を気相から供給する手法を用いることとした15,17)。これは,並行して進めているTi-MCM-68の研究開発でも多用している方法である31)

6.1 スチーミング条件の検討

Ti導入の前に,YNU-2Pに対するスチーミング条件を詳しく検討した。図3に示すスチーミング装置を用い,水蒸気を異なる温度(t°C; t=200, 300)および分圧(p kPa; p=10, 30, 50)で24時間流通させた。これらの条件下でのスチーミングはいずれも有効で,処理後のサンプルは,包接されている残存有機物を焼成(450°C, 3 h)によってすべて除いても骨格を維持した。これに対し,200°C以下のスチーミングでは安定化効果がみられなかった。水蒸気分圧が10 kPaのとき,スチーミング直後の有機物含有率(熱重量分析による)は,処理温度200, 250, 350°Cにおいてそれぞれ21.1, 17.1, 12.2%であり,元々のYNU-2P中のOSDA含有率が23.0%であったことを考えあわせると,有機物がある程度除去されるような温度ではじめてSi種のマイグレーションによる骨格安定化が可能になると言える。ここで,スチーミングによる骨格安定化の後に焼成(450°C, 3 h)で有機物を完全に除いて最終的に得られた多孔体をYNU-2 (t, p)と定義する(括弧内のt, pは上で述べたスチーミング温度と分圧である)。各YNU-2 (t, p)の焼成後の29Si MAS NMRを図4に示す。メジャーなQ4ピークとマイナーなQ3ピークの存在が,骨格の安定化がなされたことと共に依然として欠陥が残存していることを示している。スチーミング条件を厳しくするにつれ,欠陥に由来するQ3ピークの割合が減少し,Q4ピークがシャープになっている。このことから,スチーミングを厳しく行うことでSi種のマイグレーションが活発化し,欠陥のより少ない安定な骨格構造が得られることが示唆される。また,スチーミング条件によっては窒素吸脱着等温線上でヒステリシスループが観測されるようになった(図5)。ヒステリシスループは直径約4 nm以上のメソ孔が存在する場合に観測されるものであり,YNU-2 (250, 50), YNU-2 (250, 30), YNU-2 (300, 30)の各サンプルにおいて条件に合うメソ孔の生成が示唆された。さらに,このことはTEM観察によっても裏付けられた。

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図3 スチーミング装置の概念図

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図4 YNU-2 (t, p)の29Si DDMAS NMRスペクトル.

引用文献29よりACSの許可を得て一部改変の上転載.

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図5 YNU-2 (t, p)の窒素吸脱着等温線.

引用文献29よりACSの許可を得て一部改変の上転載.

原子・分子レベルで見た場合,Si種のマイグレーションは基本的にはSi-O結合の加水分解から始まる。この際,欠陥に隣接するSiが,水分子との親和性と立体障害のいずれの観点からも,加水分解を受けやすいと考えるのが妥当である。骨格との共有結合がすべて失われたSi(OH)4種が移動すると考えるのが最も自然であるが,このような化学種が移動できるようなスペースもまた必要と考えられ,先に述べた有機物除去の必要性は,このスペースの提供とも関係がある。つまり,有機物が除かれれば,ミクロ孔を通じてSi種は移動できると考えられる。

より巨視的な観点からは,欠陥の動きはSi種の動きとは逆方向で,粒子内のいろいろな場所から粒子の末端へ向かって集約されていくと考えることができる。そして粒子末端が粒界であった場合にメソ孔として観測されるようになるのではないかと推測される。適度なスチーミング条件下でメソ孔が生成・成長していき,その過程の一時期に吸脱着測定におけるヒステリシスループが観測されるのかもしれない。

再び微視的観点にもどると,バルクでの空隙があったとしても骨格安定化がなされており,XRDもシャープなので,原子配列の規則性は高いといえる。スチーミング条件の変化は,Si種のマイグレーションの度合いを変化させ,後にTiが導入されるサイトの位置や分布,あるいは親疎水性などのマクロ物性に影響し得る。後述するように,これがひいては触媒性能に影響することになる。

6.2 骨格へのTi導入とフェノールの過酸化水素酸化対する触媒性能

先に得られたYNU-2 (t, p)に対し,500°Cで加熱しながらTiCl4/Arを1時間流通させてTi-YNU-2 (t, p)触媒を調製した。次いで,冒頭で述べたH2O2を酸化剤として用い,フェノールの酸化反応に対する触媒性能を検討した。結果を表1に示す。フェノールの酸化はスキーム2に示したように,併発および逐次反応から成っている。一段目の水酸化は併発反応であり,ヒドロキノン(HQ)とカテコール(CL)の間の相互転換(異性化)は起こらないことを別途確かめた。また,レゾルシノールの生成も全く見られなかった。さらに,逐次酸化生成物のうちオルトベンゾキノン(o-BQ)は不安定なため,仮に生成しても容易に重合物となって検出できないことが自明であり,実際にも検出されなかった。表1に示すとおり,スチーミング温度は300°Cよりも250°Cの方が好ましく,水蒸気分圧は低めの10 kPaが検討した中では最適であった。結果として,Ti-YNU-2 (250, 10)がTON 923, パラ選択率92%と,非常に高い活性とパラ選択性を示した。

表1 種々のチタノシリケート触媒を用いたフェノールの過酸化水素酸化a
entrycatalystbTi-contentc/mmol (g-cat.)−1TONdyielde(%)para-sel.f(%)H2O2
totalHQCLp-BQconv. (%)eff. g(%)
1Ti-YNU-2 (250, 10)0.1892374.358.46.19.89288.483.2
2Ti-YNU-2 (250, 30)0.1678659.245.27.46.78882.971.5
3Ti-YNU-2 (250, 50)0.1670453.038.46.58.18890.358.7
4Ti-YNU-2 (300, 10)0.2044442.227.54.610.18967.862.2
5Ti-YNU-2 (300, 30)0.101275.72.61.41.77620.128.2
6Ti-YNU-2 (300, 50)0.071184.11.51.01.77614.229.1
7Ti-MCM-68-cal0.2527232.322.28.31.87463.351.1
8Ti-MCM-680.2515017.111.15.50.55834.050.1
9TS-10.36508.44.73.70.05625.233.4
a Reaction conditions: phenol (PhOH), 21.05–21.85 mmol; catalyst, 20 mg; H2O2, 4.12–4.55 mmol; temperature, 100°C; time, 10 min.
b First and second values in parentheses are steaming temperature, t/°C and steam pressure, p/kPa, respectively.
c Determined by ICP analysis.
d Turnover number (moles of [hydroquinone (HQ) + catechol (CL) + p-benzoquinone (p-BQ)] per mole of Ti site).
e Product yields based on added H2O2 after exhaustive acetylation of the products with excess (CH3CO)2O-K2CO3, the derivatized products were analyzed by GC (0.25 mm×30 m×1.00 µm DB-1 column, internal standard: anisole, detector: FID).
f Selectivity to para-isomers of dihydroxybenzenes and quinones (moles of [HQ+p-BQ] per moles of [HQ+CL+p-BQ]).
g Efficiency of H2O2 utilization (moles of [HQ + CL + p-BQ] per mole of H2O2 converted).
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スキーム2 過酸化水素を酸化剤とするフェノールの逐次酸化と想定される生成物

比較のために従来型のTi-MCM-68およびTS-1の結果も表1に記載した。Ti-MCM-68は熱処理してTi-MCM-68-calとすることで,活性と選択性が向上したが,Ti-YNU-2には及ばなかった。また,TS-1は有効ではあるものの,この条件ではTi-MCM-68よりも低活性であり,10員環細孔しかもたないことに起因して選択性も低かった。

6.3 高い活性発現の原因

Ti-YNU-2の非常に高い活性の原因をつきとめるため,活性点構造の様子を探った。TS-1, Ti-MCM-68, Ti-YNU-2それぞれの拡散反射紫外可視(DR UV-vis)スペクトルを,擬in situセル35)を用いて測定し,図6に示す結果を得た。図6Aが真空排気前,図6Bが400°Cでの真空排気後のスペクトルである。まず図6Aでは,全てのチタノシリケートで210 nm付近に4配位Ti種(closedおよびopenサイト)由来のピークが観測された。しかし,Ti-YNU-2の場合のみ,250~290 nm付近にも肩が観測された。この領域のピークは5配位および6配位Ti種に帰属される4)ため,Ti種周りの配位状態はTS-1やTi-MCM-68と比較して最初から大きく異なることがわかった。次に400°C, 2 h真空排気した後のスペクトル(図6B)をみると,TS-1およびTi-MCM-68の210 nm付近のピークは吸着水除去の影響でよりシャープになり,典型的な4配位Ti種のパターンとなっていた。これに対してTi-YNU-2の場合はこれらの他に,250~290 nm付近のピークがややすそ野が狭まったものの依然として顕著であった。TS-1に関する既往の報告4)と照らし合わせると,5配位および6配位Ti種とともに,Tiにヒドロキシ基が一つ以上結合した4配位Ti種が比較的多く存在していることが示唆された。

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図6 擬in situセルを用いて測定した(A)真空排気前,(B)真空排気後の(a)TS-1,(b)Ti-MCM-68,(c)Ti-YNU-2のDR UV-visスペクトル

次に,真空排気後(図6B)のサンプルを擬in situセルに入れたまま水を少量加え,再びDR UV-vis測定を行い,図7Aに示すスペクトルを得た。こうして得たTS-1とTi-MCM-68のスペクトル(図7A-a, b)は,図6B-cと非常によく似ており,5配位および6配位Ti種またはヒドロキシ基を一つ以上持つ4配位Ti種(openサイト)が増加したことを示していた。これに対し,Ti-YNU-2の場合は全く異なるスペクトルが得られた。波長300~400 nmに現れたブロードで大きなピークは,ヒドロキシ基を一つ以上持つ5配位および6配位Ti種と帰属された。そこで次に,擬in situセル中,真空排気後のサンプルに対して水の代わりに31% H2O2水溶液を少量加え,再びDR UV-vis測定を行った。すると,Ti-YNU-2の場合に特に大きいものの,結局どのサンプルに対しても300~400 nmの範囲にブロードなピークが現れた(図7B)。これは,チタノシリケート触媒の作動状態におけるTi-OOH種によるものと考えられる。Ti-YNU-2は水を加えただけでこれに近い状態であったことを考えあわせると,Ti-YNU-2は元々この状態になりやすい傾向を有しており,活性化状態への「準備が整った」触媒であると言える。これが,Ti-YNU-2が非常に高い活性を示す理由の一つであると考えている29)

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図7 擬in situセルを用いて図5Bの(a) TS-1, (b)Ti-MCM-68,(c)Ti-YNU-2に対して(A)H2Oまたは(B)31% H2O2水溶液を加えた後のDR UV-visスペクトル

なお,Ti-YNU-2におけるTiサイトの配位数については,XAFSによっても上記の解釈を裏付ける結果が得られている(未発表データ)。

6.4 高いパラ選択性発現の原因

ゼオライト細孔によるパラ選択性は基本的には細孔の立体規制により発現する(図8の要因[A])。しかし,Ti-YNU-2の非常に高いパラ選択性の発現要因はそれだけでは説明し難い。そこで,次のような仮説を提唱する29)。断片的な結果をつなぎ合わせ,骨格模型(図9)を活用して行った推測であるが,各原子間距離と相互作用・電子の動き・結合の開裂と形成は化学的に妥当な範囲を逸脱してはいない。今後,計算機化学の支援を得れば,より緻密な推測が可能になると期待される。

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図8 フェノール分子と活性化状態のTi-YNU-2との間の予想される相互作用.

引用文献29よりACSの許可を得て一部改変の上転載.

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図9 (a)Tサイトの把握に用いた小型骨格模型と(b)フェノール分子と同じ縮尺で作成し,相互作用の考察に用いた大型模型

5節で述べたように,YNU-2Pは図2のT6とT720,26)ref. 22および23ではそれぞれT7とT8)にかなりの欠陥を有している。つまり,T6とT7の位置にあるべきSiが抜けている。(以下の説明の視覚化は紙面では限界があるが,図9の骨格模型を活用することにより状況把握が容易になる。)これらT6, T7サイトは12員環ストレートチャンネルに面していないが,隣接するT3とT5からそれぞれSiが供給された場合,12員環に面するT3, T5に欠陥が移る。今,簡単のためにT3に欠陥ができるとする。そうすると,Ti導入によって12員環に活性点が生じることになる。また,二つのT3が互いに隣接しているので,連続した欠陥が生じ得る。そのうち一つのT3のみにTiが挿入されれば,ヒドロキシ基をもつ(あるいはH2Oが配位した)骨格内Tiとなり,このようなTiは骨格からはずれることなく配位数や立体構造の変化(つまりテトラヘドラルな4配位からオクタヘドラルな6配位構造への変化;図8の要因[B])が容易になるとともに,反応剤や基質が接近するスペースも確保できる要因[C])。もしこうした環境にあるTiサイト,すなわちシラノールネストに近接するTiサイトがTS-1骨格内にも存在した場合,基質の配位による歪んだ6配位Tiの形成につながることが,DFT計算により示唆されている36)。ここまでは,前節で述べた高い活性発現の要因とも言える。

これらを踏まえ,一部の重複も含めて図8の説明をさらに進めると次のようになる。例えばT3欠陥サイトだけをとっても,細孔内の規則的な位置に複数存在するため,それらが「活性点挿入の場(要因[B])」,「反応剤が活性点に近づくためのスペース(要因[C])」,「基質を(水素結合などによって)捕捉する官能基(要因[D])」などとしての役割を適宜果たしていると考えると,優れた触媒性能を発現する原因として一つの説明が成り立つ(T5についても同様の可能性があるが,省略する)。すなわち,(1)第一のT3欠陥サイトにTiが挿入され,その隣にもT3欠陥サイトが残存する(要因[C])のでTiサイトは構造に自由度をもつ(要因[B]),(2)第二,第三のT3欠陥サイト(シラノール)が水素結合を介してフェノール分子を捕捉し,弱い相互作用でフェノールの向きと位置を制限する(要因[D]),(3)フェノール水酸基のパラ位がTi-OOH種に特に接近するため,パラ置換の反応速度が特に増大する。なお,(1)の理解を助けるために,過酸化水素で活性化されたTi-YNU-2の部分構造(隣にsite defectが残存するTiサイト)を概念的に示し,従来型チタノシリケート(Ti-MCM-68, TS-1など)のいわゆるopen site4)の場合と比較したのが図10である。

Zeolite 31(4): 131-142 (2014)

図10 過酸化水素で活性化された触媒活性点付近の部分構造.

(a)従来型チタノシリケート(ここではTi-MCM-68の骨格を反映),(b)Ti-YNU-2(隣にsite defectが残存するTiサイト;自由度が高いので6配位をとりやすい).

以上(1)~(3)は,これまで「細孔による立体規制」一辺倒であった「形状選択性」の発現機構37)に一石を投じる考え方である。酵素反応において酵素が基質を分子認識して捕捉する事により,ランダムな分子運動を制限してエントロピーを減少させ,基質同士,基質と反応剤もしくは基質と酵素の反応部位を近づけることで反応の活性化エネルギーを大きく低下させる,いわゆるエントロピー・トラップに似ているが,単なる酵素の模倣ではなく,ゼオライト本来の特質である「ミクロ孔による立体規制(図8の要因[A])」が掛け合わさっている点で,ユニークな系と言える。今後の検証と拡張を望みたい。

なお,Ti-YNU-2触媒は反応後に水洗および焼成(550°C, 4 h)を経て再使用が可能であり,再使用中にもTiのリーチングが認められなかったことから,実用的にも有望である29)

7. おわりに

MSEトポロジーを有するYNU-2の欠陥制御を鍵とするTi-YNU-2触媒の開発の経緯について概説した。材料合成,触媒反応の両面において興味深いケミストリーが隠れており,その本質については現在も解明の努力を続けているところである。また,MSEについては本稿で紹介した酸化触媒としてだけでなく,固体酸触媒としても有望な結果が得られており,触媒材料としてのさらなる発展を目指している。新しいゼオライト骨格を発見あるいは創出するための合成研究においては,結晶化過程の謎を解き明かし,「zeolite synthesis by design」に近づくことが究極の課題である一方で,ゼオライト触媒開発の観点からは,既存骨格に対しても未解決の課題がまだ多く残されている。例えばTサイトの区別と望む位置への活性点導入は古くからの難問であり,現在でも第一級の研究課題であり続けている。昔と今が違う点としては,機器分析のハード面・ソフト面での飛躍的な進歩が挙げられ,合成・解析・反応の各分野において,熱い想いを共有する研究者がうまく結束すれば,温故知新によるスパイラルアップを図ることができるはずである。

適用範囲の広い本当に力量ある触媒を構築するには,マクロ物性制御が極めて重要であることは言うまでもないが,ここに紹介したような原子・分子レベルでの制御が触媒性能の格段な向上につながりうる要素技術であることにかわりはないと考えている。

本研究では,合成と反応に関しては佐々木麻希子氏(横浜国大,現電気化学工業(株)),佐藤裕哉氏(横浜国大,現三菱ガス化学(株)),小山啓人氏(横浜国大,現出光興産(株)),辰巳 敬教授(東工大),横井俊之助教(東工大),杉 義弘教授(岐阜大),構造解析・キャラクタリゼーションに関しては,池田拓史博士(産総研),佐々木優吉博士(JFCC),吉田 要博士(JFCC),奥村 和教授(工学院大学),その他多くの方々のご協力を賜った。ここに謝意を表したい。

なお,骨格コードを太字で表記することが推奨されている22,38)が,本稿では敢えて採用しなかったことを付記する。

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