大面積DDR型ゼオライト膜の開発
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当社は,DDR型ゼオライトの膜化に世界で初めて成功し,各種ガスの透過性能測定結果から,高い分画性能を有していることを確認している。今回,直径180 mm,全長1000 mmで,膜面積12 m2というモノリス型の大面積DDR型ゼオライト膜を開発した。大面積化した目的は,例えば天然ガス精製のような膨大な処理量に対応するためである。供給ガス圧0.3 MPaG,50/50の二酸化炭素/メタン混合ガスでの二酸化炭素の透過速度および二酸化炭素/メタンの分離係数は,それぞれ,5×10−7 mol/m2 s Paおよび160以上と高く,天然ガス精製へ適用可能なレベルと考える。この他,水素/メタン混合ガスからの水素分離,二酸化炭素/水素からの二酸化炭素分離なども可能である。また,当社のDDR膜は,アルミニウムをほとんど含まないため耐酸性に優れている。有機溶媒からの脱水に適用した場合,浸透気化法による酢酸濃度90 wt%,温度90°Cの試験において,高い分離性能を200時間以上維持することを確認している。酢酸以外にも,フェノール,エステル,アルコールからの脱水において高い分離性能を発現するため,広い用途展開が期待される。
キーワード:DDR;ゼオライト膜;ガス分離;脱水;天然ガス;酢酸
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