17th International Zeolite Conference(17th IZC)参加報告
東京工業大学資源化学研究所
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2013年7月7日~12日の6日間にわたり17th IZCがモスクワ(ロシア)のCongress Center of the Izmailovo Complexで開催されました。筆者自身は本会議に初めて参加しましたが,34か国から約740名の参加者を集めており,各国のゼオライト,多孔体材料を扱う研究者との交流ができ非常に有意義な時間を持てました。日本からの参加者は50名程度でありました。講演は5つの会場でPlenary(5件),Keynote(14件),Oral(155件)が行われました。別途Industry panelも設けられていました。RRRを含むPoster発表(593件)は3日間に分けて行われました。
発表分野は,ゼオライト・メソ多孔体の合成,構造・特性解析,触媒,吸着分離などの基礎研究から応用研究まで非常に多岐にわたっており,ゼオライトおよび多孔体材料に関する研究の幅広さ,重要性を改めて実感いたしました。その中でコスト削減や論理的方法論の確立に向けたゼオライト合成やOperando解析などの触媒評価技術に関する講演などを著者としては興味深く聞きました。またMOF, PCP関連の発表は京都大学の北川進先生のPlenary lectureを始めとして非常に多くあり,さらなる発展を予感させられました。
IZA General Assemblyでは各委員会からの報告や委員会メンバーの投票に加え,19th IZC(2019年)の開催地の選出が行われました。候補地のパース(オーストラリア)とバレンシア(スペイン)のプレゼンテーションが行われた後,参加者による投票によりパースでの開催が決定されました。同日夜のBanquetではIZAの表彰が行われ,Breck AwardはJürgen Caro先生(Leibniz University Hannover)とMichael Tsapatsis先生(University of Minnesota)に,またIZA AwardはFrancois Fajula先生(Université Montpellier)贈られました。
Excursionでは赤の広場,クレムリン宮殿等のモスクワ市内の大体の観光地をバスで回り,帰り道で遭遇した噂の交通渋滞も含めてモスクワの街を堪能できました。同日夜にはInformal dinnerが行われ,ロシア料理やウォッカ,踊りも楽しむことができました。
会議以外のことにふれれば,ビザ取得の面倒やロシア語表記の読解への苦労はあったものの,ロシアに対して勝手にイメージしていた不便さはほとんどなく,他の欧米諸国と変わりなく過ごすことができました。会期期間中のモスクワは涼しいということはありませんでしたが,日本では猛暑日が続いていた頃なので,それに比べれば快適な日々となりました。
次回18th IZCは2016年にリオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)での開催が予定されています。同国ではサッカーワールドカップやオリンピックも今後開催されるため,治安面での心配は以前よりも大幅に改善されていることと思われます。
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