Post-Symposium ABC-7 International Workshop on Green and Sustainable Chemistry参加報告
東京工業大学
© 2013 ゼオライト学会© 2013 Japan Association of Zeolite
2013年5月16日に標記学会が神田,一ツ橋講堂にて開催されました。このシンポジウムは,7th International Symposium on Acid-Base Catalysis(ABC-7)のポストシンポジウムとして開催され,その趣旨は,グリーン・サステイナブルケミストリー領域の発展に大きく寄与する触媒化学に関する最新の研究動向,最先端の情報を共有し,今後の研究指針ならびに将来の展望と目標を明確にする,というものでした。シンポジウムは5件の招待講演と1件の特別講演によって構成され,多数の参加者を集めた盛大な会となっていました。招待講演者を発表順に紹介すると,Prof. Mark E. Davis (California Institute of Technology),堂免一成 教授(東京大学),Prof. Johannes Lercher (Technische Universitaet Muenchen),福岡淳 教授(北海道大学),Dr. Manuel Moliner (Universidad Politecnica de Valencia)と 国内外から触媒化学の分野で著名な研究者が講演を行いました。また,2013年3月をもって東京工業大学教授を定年退職された辰巳敬 現副学長が特別講演を行いました。Prof. DavisとProf. Lercher,福岡先生からはゼオライトやカーボン系固体酸触媒を用いたバイオマス変換について発表がなされましたが,筆者自身もバイオマス変換に関わる研究を行っており,特に興味深く拝聴しました。堂免先生からは水分解用光触媒について最近の成果について発表がなされ,Dr. Molinerはチタン含有ゼオライトの合成と応用について講演されました。辰巳先生は,層間拡張型ゼオライトなど最近の成果まで,先生のこれまでの研究歴を振り返りながら発表をされました。
このシンポジウムには辰巳先生の定年退職をお祝いするという意味もあったと思います。予稿集にはそれぞれの講演者からの辰巳先生へ宛てたメッセージが掲載されており,その中には,講演予定であったDr. Stacey I. Zones (Chevron)からのメッセージも含まれていました。また,講演者それぞれの発表冒頭で,辰巳先生へメッセージが贈られていました。例えばProf. Davisからは,辰巳先生がメジャーリーガーに扮するアニメーションが流され,Dr. MolinerのときにはProf. Cormaから辰巳先生へ宛てたビデオレターが流されるなど趣向の凝らされたものでした。
本シンポジウムは,著名な研究者の発表を通して最近の研究動向を知ると同時に辰巳先生の素晴らしい業績と人望の厚さを再確認するものでありました。
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