ZMPC2012参加報告
早稲田大学教育学部地球科学教室小川研究室助手
© 2012 ゼオライト学会© 2012 Japan Association of Zeolite
7月28日から8月1日までの5日間にわたり広島市内で開催されましたZMPC2012(International Symposium on Zeolites and MicroPorous Crystals 2012)について,ご報告いたします。
今年で前身のCMPCを含め7回目の開催となるZMPCは,広島市はアステールプラザにて開催されました。会場のアステールプラザは,広島駅から路面電車で約15分,繁華街の近く,広島平和記念資料館(原爆資料館)に隣接して立地し,道すがら市街の様子や原爆ドームなどが見られ,広島市内の雰囲気が味わえます。プラザ内の清潔で広々とした計4会場(口頭発表用にAからCの3会場,ポスターセッション用に1会場)を利用して発表が行われ,国内外あわせて464名の参加者,発表数も口頭発表118件(内Plenary Lecture 6件,Keynote Lecture 17件),ポスター発表200件以上の計347件でした。経済の停滞が心配されるなか,海外からの参加者は30カ国以上より計191名,アジアから70名以上(中国17, 韓国24, 台湾27)ヨーロッパからは80名以上,アメリカから約20名と,参加者全体の4割を占め,この会議の国際的なプレゼンスが改めて実感できました。
A会場(写真1)では,Corma先生(Instituto de Tecnología Química),辰巳先生(東工大),Ryoo先生(KAIST),Čejka先生(J. Heyrovsky Institute),Valtchev先生(Université de Caen),黒田先生(早大)によるPlenary Lectureに加え,ゼオライト中心に,B会場では主にMOF/PCPについて,C会場ではゼオライトに加え,メソポーラス物質を用いた研究中心に発表が行われました。また,ポスター発表は,7月29日,31日と二日に分けて行われ,会場は大変賑わいました(写真2)。
筆者は,粘土鉱物や層状シリケートなどの層状物質やメソポーラスシリカをホストに用いたホスト-ゲスト反応について研究しており,ゼオライトや酸触媒について門外漢なのですが,発表の傾向と感想を記します。
発表件数はゼオライトが約半分,MOF/PCPが約三分の一を占める一方,想像していたよりもメソポーラス物質についての発表は少なく感じました。ゼオライトについては層状ゼオライトに関する発表が多く,物質科学としての変遷を感じました。
三日目に行われたExcursionは,宮島まで豪華客船でお酒を嗜みながらのクルージング,厳島神社を中心に自由に観光した後,ANAクラウンプラザホテルでの立食パーティーというコースでした。四日目のBanquetでは,コース料理とともに広島の伝統芸能の神楽の演舞が行われました。私の席の近くにいたロシアからの参加者にとっても興味深かったようで,伝統芸能の普遍性,力強さを感じました(写真3)。
広島大学の佐野先生をはじめとした現地実行委員の先生方,学生の皆さんのご尽力により,大変有意義な時間を過ごすことができました。研究面ではもちろんたいへん勉強になり,またバンケット等のソーシャルプログラムも充実していて,楽しく過ごさせていただきました。参加者の一人としてお世話くださった皆様に感謝したいと思います。
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