日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 29(4): 165 (2012)
doi:10.20731/zeoraito.29.4.165

レポートレポート

Pre-Symposium of ZMPC2012の報告

山口大学大学院理工学研究科

発行日:2012年12月7日Published: December 7, 2012
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Pre-Symposium of ZMPC2012が2012年7月26〜27日に,京都CO-OP Innで開催された。登録者名簿によれば,15カ国から66人の参加があり,国別では,日本から39人,アメリカ8人,スウェーデン3人,ドイツ3人を始めとしてヨーロッパから13人,中国・韓国・香港・インドから5人,サウジアラビアから1人と国際色が豊かであった。スウェーデンからの参加者は同国に留学中の中国人学生だった。京都は快晴,両日ともに最高気温が37°C近くまで上がり,雨がちな北欧からの参加者などには貴重な夏日だったようだ。シンポジウム会場と宿泊が同じホテルであったこと,また,京都の中心に立地していて利便性が良いことなど,とても好評であった。

Zeolite 29(4): 165 (2012)

初日は大久保先生(東京大学)の開会の辞に続き,フランスCNRSのS. Mintova博士から,ナノサイズのゼオライト結晶に関する講演があった。ナノゼオライトの安全性(HSE)評価のプロジェクトも進行中とのことであった。2日目には,4件の講演と24件のポスター発表が行われた。午前中に,アメリカUOPのG. Lewis博士と韓国浦項工科大学のS. B. Hong教授から,Charge Density Mismatch法によるミクロ多孔質材料の合成に関する講演があった。昼食休憩後,CALTECH, M. E. Davis教授によるヘテロ原子によるシリカ骨格の置換に関する講演,横浜国立大学,窪田教授による後処理によるディフェクトの制御に関する講演があった。ポスター発表は,各講演の間に設けられた休憩や昼食の時間に行われた。シンポジウムを通して,学生からの質問も含め,活発な議論が行われた。“RecentProgress in Zeolite Synthesis”と題された今回のプレシンポジウムは,ゼオライト合成の最近の進歩への概観を与えてくれただけでなく,最先端の研究を拝聴し議論できるスリリングな場でもあった。

2日目の講演終了後に,ホテルからバンケット会場まで,学生やその他の参加者による京都案内があり,海外からの参加者に喜ばれていた。バンケット会場は山形有朋の別邸だったこともある一角で,小川治兵衛の作庭を見ながらの会食は,場,料理,人の輪ととても贅沢なものであった。また,高瀬川の源流が廻る庭園の散策を,多数の参加者が楽しんでいた。

東ソー株式会社,ユニオン昭和株式会社,Quantachrome Instrumentsのスポンサーを受けた大きな規模のプレシンポジウムであったが,シンポジウムの運営はとてもスムーズで,参加者から多数の称賛の声があった。末筆ながら,主催された大久保先生を始め,企画・運営に携われた方々の卓越したマネッジメントとご尽力に心からの謝辞を申し上げる。

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