第27回ゼオライト研究発表会報告
大阪大学大学院工学研究科
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第27回ゼオライト研究発表会が,平成23年12月1日(木)〜2日(金)の両日に関西大学100周年記念会館を会場として開催されました。今回は大阪大学と関西大学のゼオライトの研究者を中心に発表会が運営されました。その概要について報告させて頂きます。
本年度も例年どおり3会場で執り行われ,総合・一般講演として99件(内8件が総合講演)の研究発表がありました。全国の研究機関や企業より245名(会員124名,非会員13名,学生92名,企業展示12名,招待4名)が参加され,活発な質疑応答が行われると共に,一部の講演では立ち見が出るほどの盛況ぶりでありました。
研究発表の分野は多岐に渡り,ゼオライトの合成と構造解析,吸着剤や分離膜としての応用,触媒としての利用,メソ多孔性材料や層状化合物に関するものに加え,配位高分子に関する発表が数件ありました。プローブ分子を用いる固体NMRや各種分光測定による詳細な解析を行うのみならず,ゼオライトの機能を巧みに用い触媒や吸着剤として応用した興味深い研究発表もありました。
特別講演の講師は北川進先生(京都大学)と常木英昭先生(日本触媒)でした。北川先生は「柔らかい多孔性結晶(PCP/MOF)の化学と応用」と題してご講演され,多孔性配位高分子の歴史から最先端の内容までの一連の研究について魅力的なグラフィックスを用い,大変わかりやすくご紹介されました。また,常木先生は「バインダーレスゼオライト成形体の創製とエタノールアミン製造への応用」との題目でご講演され,ゼオライトを用いたプロセスの企業化に至るまでのブレークスルーについてお伺いすることができました。
本年度の総会では,ゼオライト学会の発展にご尽力されてこられた,平成8・9年度会長の小野嘉夫先生と平成10・11年度会長の八嶋建明先生に名誉会員表彰が授与されました。
懇親会は,佐野会長のご挨拶,八嶋先生のスピーチの後,小野先生の乾杯の音頭によりスタートし,たいへん賑やかな会となりました。
次の第28回研究発表会は里川先生(成蹊大学)を実行委員長として東京のタワーホール船堀での開催が予定されています。また,7月末にはZMPC2012が広島で開催予定であり,ゼオライトに関連した研究分野のますますの発展を切に願っております。
最後に,ご講演頂きました講師の先生方,本研究発表会にご参加頂きました皆様,および実行委員会の皆様に感謝申し上げます。
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