ゼオライト触媒によるバイオエタノールからの低級オレフィン合成反応
独立行政法人産業技術総合研究所・環境化学技術研究部門・固体触媒グループ ◇ 〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 産総研つくば西
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バイオエタノールからポリプロピレンなどのポリマー原料となるプロピレンを製造するための高性能触媒の開発を目的とし,ZSM-5上でのエタノールからのプロピレン合成における反応特性および反応メカニズムについて検討を行った。ZSM-5は,比較的高い選択率でプロピレンを生成するが,Si/Al2比によって生成物分布は異なるため,適度な酸密度の制御が必要であることが分かった。ZSM-5上では,エタノールは脱水反応によりエチレンへと転換し,その後,エチレンが直接プロピレンに転換していることを見出した。また,生成したプロピレン,ブテンは芳香族炭化水素へと逐次的に反応する。一方,ZSM-5上では,プロピレン生成活性は時間とともに著しく低下する。これは,エタノールの脱水反応で生成する水によってZSM-5骨格中の脱アルミニウムが進行するためである。この活性劣化抑制を目的として種々の金属種による修飾を検討したところ,リン修飾することにより水による脱アルミニウムを著しく抑制することでき,耐久性が顕著に向上した触媒の調製が可能となった。
キーワード:プロピレン;エタノール;ZSM-5;脱アルミニウム;リン修飾
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