XANESによるゼオライトに含まれる遷移金属の化学状態分析
京都大学工学研究科材料工学専攻 ◇ 〒606-8501 京都府京都市左京区吉田本町
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X線吸収分光法は今や特別な分光分析手法ではなく,汎用的なキャラクタリゼーション手法として利用は増加する一方である。本解説では3d遷移金属K殻XANESスペクトルのプリエッジピークに注目し,チタノシリケート,銅イオン交換ゼオライトおよびバナジウム含有メソポーラスチタニアの構造解析例を紹介するとともに,解釈上での注意点を指摘した。特に四面体配位で観察されるプリエッジピークは1s-3d遷移ではなくd-p軌道中のp成分への電気双極子遷移であること,銅化合物のXANESスペクトルでは1s-4p軌道への遷移が特に価数および対称性に敏感であることを示した。また蛍光X線の分光による高分解能XANESの測定例を紹介した。
キーワード:K殻XANES;プリエッジピーク;ゼオライト;3d遷移金属;対称性
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