日本ゼオライト学会 刊行物

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター
Zeolite News Letters 23(4): 125-135 (2006)
doi:10.20731/zeoraito.23.4.125

解説

くり返し使えるメソポーラス固体酸触媒

1東京工業大学資源化学研究所 ◇ 〒226-8503 神奈川県横浜市緑区長津田町4259, R1-10

2豊田中央研究所

受理日:2006年10月4日
発行日:2006年12月10日
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Bis (triethoxysilyl) ethylene((EtO)3–Si–CH=CH–Si(OEt)3)を出発原料とし,二次元ヘキサゴナル(2D-hex)構造を有するハイブリッドメソポーラスエテニレン-シリカ(HME)を調製した。次いでメソ孔表面に露出した–CH=CH–基に,反応性に富むペンゾシクロブテンを反応させ,フェニレン基がC–C結合を介して細孔内表面で突出した材料を創った(Ph-HME)。細孔内表面に存在するフェニレン基は容易にスルホン化することができ,安定でかつ効率の良い固体酸触媒を調製することができた(Ph–SO3H HME)。反応結果でPh–SO3H HMEは,ピナコール転位反応,液相ベックマン転位反応,フリーデル・クラフツアシル化反応およびアルキル化反応,オレフィンの直接水和反応,そしてカルボン酸とアルコールからのエステル生成反応に対し,いずれも他の酸触媒と比較して高い酸触媒活性を示した。また,反応溶液へのイオウ成分の流出もなく反応後も反応前と同じ構造を保っていることも確認された。その結果,くり返しの反応においても失活は観られず安定した触媒活性を示した。

Key words: Hybrid Mesoporous Material; Ordered mesoporous structure; Solid acid catalyst; Acid-catalyzed reactions; Repeat use

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