PFG-NMR法で探るPolycrystallineゼオライト膜での拡散メカニズム
東京大学大学院工学系研究科 ◇ 〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1
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多数の結晶が膜化したゼオライト膜における拡散や吸着性は,ゼオライト単結晶のものと同じであろうか。それともゼオライト結晶個々の特性を反映しながらも,膜という集合体では物性は変わるのだろうか。我々はこれまでに単結晶のデータを用いて,Polycrystallineゼオライト膜の透過物性を理論的に解釈することを試みてきた。しかしながら,定性的には実験結果を再現できるものの,透過流束の絶対値はどう見積もっても理論値の方が実験値よりも一桁以上大きくなる。我々はこの相違の原因を,多結晶という微細構造の影響だと考え,パルス磁場勾配スピンエコー核磁気共鳴法を用いて,MFI型シリカライト膜におけるメタン拡散係数の直接測定を試みた。その結果,膜中での拡散性は単結晶のものよりもかなり減少することを見出した。本稿では,このようなPolycrystallineゼオライト膜における拡散性が単結晶のものと比較して減少するメカニズムを,微細構造と関連付けながら考察した結果を報告する。
Key words: diffusion coefficient; 1H pulse gradient-field spin-echo (PPG) NMR; silicalite membrane
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