層状珪酸塩を前駆体に用いた新規ゼオライトCDS-1の合成と構造
1 産業技術総合研究所メンブレン化学研究ラボ ◇ 〒983-8551 宮城県仙台市宮城野区苦竹4-2-1
2 北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科
1 産業技術総合研究所メンブレン化学研究ラボ ◇ 〒983-8551 宮城県仙台市宮城野区苦竹4-2-1
2 北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科
最近我々は,新しい層状珪酸塩PLS-1を相転移的に構造変化をさせることで,その骨格構造と幾何学的相似な新規高シリカゼオライトCDS-1(CDO型)の合成に成功した。PLS-1はSiO2-KOH–TMAOH-1,4–dioxane-H20を原料とし水熱合成で得られる。このPLS-1の結晶構造について,粉末X線回折法を主力とする未知構造解析を試み,骨格構造がケイ素5員環から構成されferrieriteと部分的に同一なトポロジーであることを明らかにした。また隣接する骨格レイヤー間には細孔的な隙間が形成され,そこにTMAOHが内包されていたことから,脱水重縮合により架橋させることで新しい細孔が形成可能であると予想した。これを分子動力学シミュレーションにより,脱水縮合後の安定構造のモデル化を行ったところ,新たに層間に8員環からなる2次元細孔が形成される新規トポロジーのゼオライトになることが予測された。実際,PLS-1を真空下で加熱させるのみのシンプルな方法で,容易に高シリカゼオライトCDS-1を得ることに成功した。本稿ではこのゼオライトCDS-1の設計・合成・解析について述べる。
Key words: zeolite; layered silicate; powder diffraction; ab-initio analysis; MD simulation and topotactic dehydration-condensation
© 2005 ゼオライト学会
This page was created on 2017-06-06T15:33:19.627+09:00
This page was last modified on
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。