日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
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Zeolite 42(4): 151-152 (2025)
doi:10.20731/zeoraito.42.4.151

レポートレポート

The 21st International Zeolite Conference(21st IZC)での活動報告書

横浜国立大学 窪田・稲垣研究室

発行日:2025年10月15日Published: October 15, 2025
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今回,中国の大連で開催されたThe 21st International Zeolite Conference(21st IZC)に参加し,ポスター発表を行いました。21st IZCは,中国ゼオライト協会(CZA)と吉林大学が共同で主催し,中国東北部の港湾都市大連の国際会議センター(図1)で開催されました。今回の会議に参加して,非常に価値の高い学術的な経験を得ることができました。特にゼオライト研究の最新動向に対する理解が深まり,不均一系触媒分野における高性能ゼオライト材料の開発に関する多くの知見を得ることができました。私自身,IZCへの参加は初めてであり,開会式(図2)および各セクションにおいて,世界中でこんなにも多くのゼオライト研究者がいて,これだけ発想力豊かな研究が行われていることに感動しました。多くの優れた研究者の発表を通じて,研究をさらに深める考え方や,自身の研究を発展させ得る着想を得ることができました。

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図1. 会場の大連国際会議センター

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図2. 21st IZCの開会式

会議中には,多くの基調講演や招待講演が行われ,体系的な知識や分野内の最新動向を得られる貴重な機会となりました。自分も興味深い発表に対して質問をしました(図3)。その中でも特に印象に残ったのは,透過型電子顕微鏡(TEM)技術の著しい進展により,ゼオライト材料の微細構造をより詳細に捉えられるようになったことです。TEMの応用は,単純な結晶形態の観察から複雑な分析へと発展し,複雑な細孔構造の解析だけでなく,単一原子の観察まで可能となりました。これにより,複雑な材料における重要な構造的細部が解明されるようになっています。iDPC-STEMや4D-STEMなどの高度な画像化手法によって,前例のない精度で原子レベルの細孔表面・細孔内の構造解析ができることを知りました。これらの知見は,触媒反応のメカニズムやゼオライトの構造–物性相関に関する理解を深める上で,極めて重要な役割を果たすと考えられます。

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図3. 筆者が質問する様子(筆者:左)

ポスターセッションでは,多くの参加者が私のポスターを訪れてくださり,活発に議論できました(図4)。私の研究内容は,異なる合成方法を用いてMSE型チタンシリケートを合成し,それらの触媒性能に注目したものでした。今回の発表では,既知の研究者だけでなく,様々な国・地域の多くの研究者とも新たに知り合うことができました。その中には吉林大学,清華大学,およびカトリック・ルーヴェン大学の研究者も含まれています。彼らもまたチタンシリケートに関する研究を行っており,今後も継続して交流を深めたいと思いました。他の発表者からの研究成果で特に印象に残ったのは,機械学習を用いてOSDAがゼオライト合成に与える影響を分析し,計算科学的手法の支援を受けつつ有効な実例を増やし,データベースを構築することで,より戦略的なゼオライト合成手法の開発を目指す内容でした。

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図4. ポスター発表の様子(筆者:一番左)

IZA General Assemblyでは各委員会からの報告やカウンシルメンバーの投票に加え,今後,開催が予定されている22nd IZC(Pennsylvania, USA, 2028),23rd IZC(Yokohama, Japan, 2031)の紹介がありました。

今回の国際会議が開催された大連は,とても印象深い都市でした。会議のシティツアーには3つのルートが用意されており,私はルート2を選択し,新しく建設された大連英歌石科学都市を訪問しました(図5)。現地ガイドの案内で,大連が持つ近代的な港湾都市としての側面を知ることができました。また,科学都市の計画館を訪問することで,科学都市の全体像を把握することができました。この科学都市は,建設から運用までにわずか3年しかかかっていません。エリア内には大学,研究所,大型放射光施設など複数の研究機関が集まっており,異なる分野の融合と共同研究が十分に実施されています。これにより,研究者は集中して研究に専念できる環境が整っていると感じました。見学後の晩餐会は美しい銀砂浜のレストランで開催されました(図6)。大連の美しい海の景色を見ながら,研究者どうしがリラックスした雰囲気の中で協力を促進する機会となりました。

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図5. City Tourで見学した英歌石科学都市

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図6. Informal Dinner会場の様子

今回,21st IZCに参加して,海外の研究者と議論・交流を深める貴重な経験をすることができました。また,最先端の研究に関する講演を聞くことは,単なる知識習得にとどまらず,日々の研究へのモチベーションにもつながりました。このような素晴らしい機会を与えていただけたことに感謝し,このような舞台に再び参加できるよう,さらに研究に邁進してまいります。「若手研究者の21st IZC海外渡航費用助成」に,ご支援いただいたZMPC2018実行委員会ならびに日本ゼオライト学会,そして関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。

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