第8回ゼオライトセミナー参加報告
日揮触媒化成株式会社石油精製触媒研究所FCC研究グループ
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2025年1月15日に,第8回ゼオライトセミナー/第52回石油学会九州・沖縄支部講演会が北九州学術研究都市産学連携センターにて開催されました。筆者はY型ゼオライトを用いた流動接触分解の開発に関わっていますが,固体酸触媒としての応用研究が中心で,ゼオライトの新規用途や最新の分析技術の知見が不足していると感じていました。今回ゼオライトセミナーが開催されることを知り,各分野の第一人者の先生方によるご講演を拝聴できる機会は貴重なものであると考え参加いたしましたので,その報告をいたします。
本セミナーでは,山口大学の熊切泉先生,九州大学の永長久寛先生,日揮触媒化成株式会社の松元雄介氏,産業技術総合研究所の池田拓史先生の計4名にご講演いただきました。
はじめに熊切先生より「ゼオライト膜―合成から応用まで―」と題してご講演いただきました。ゼオライトの分子ふるい能や親疎水性を活用した膜分離技術の基礎から,支持体とゼオライト膜の熱膨張率の違いやゼオライト粒子の間隙制御など多結晶体ならではの取扱い,さらには膜反応器としての応用など幅広い研究をご紹介いただきました。ゼオライトを膜として取り扱うことで粉体とは全く異なる応用が可能となることをお示しいただき,ゼオライトの新規用途を考える上で大変参考となるものでした。
つぎに永長先生より,「VOC分解プロセスのための金属酸化物担持ゼオライト触媒の開発」と題してご講演いただきました。オゾンを用いる低濃度VOC酸化分解反応に高い活性を示すMn担持Ultra Stable Yについて,担持金属種と担体の役割から丁寧にご説明をいただきました。同じ結晶構造のゼオライトであっても,ゼオライトメーカーによって細孔構造や疎水性等が異なり,触媒性能にも大きく影響するという点については,会場の他の参加者からも同様の意見が挙げられており,ゼオライトという物質の難しさを感じるものでした。
その後,松元氏より「石油精製プロセスにおけるUSYゼオライトの工業利用」と題して,ゼオライトの産業利用として水素化分解触媒とFCC触媒についての講演がありました。石油重質分の分解触媒の活性成分としてのゼオライトの活用では,Al分布制御・異元素挿入・イオン交換・メソ細孔の付与などの手法を組み合わせて,反応に適した触媒性能を引き出していることをご紹介しました。
さらに池田先生より,「マルチプローブを用いたナノ空間物質の構造解析」と題してご講演いただきました。結晶性物質の解析には粉末X線回折という固定観念をつい持ってしまっておりましたが,ゼオライトやMOFの電子線を用いた構造解析(3D-ED/MicroED)について,豊富な研究例を交えながらその長所をご紹介いただきました。サブミクロンオーダーの結晶であっても複雑な構造が解析できる手法とのことで,CO2吸着等でMOFがさらに注目されていく中で,非常に強力な分析法だと感じました。
最後にゼオライト学会会長の里川先生より,時代の変革期を迎えているが,数ある化学プロセスの難題に対しゼオライトが大いに寄与できると感じさせるセミナーであったとのご挨拶がありました。
本セミナーは,ゼオライトの分析・合成から応用までをカバーしたもので,大変に有意義なものでした。最後になりますが,講師の皆様と,本セミナーの開催に尽力いただきました北九州市立大学今井先生をはじめとする運営関係者の皆様に感謝を申し上げまして,ゼオライトセミナーの参加報告とさせていただきます。
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