日本ゼオライト学会 刊行物 Publication of Japan Zeolite Association

ISSN: 0918–7774
一般社団法人日本ゼオライト学会 Japan Zeolite Association
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター Japan Zeolite Association Academy Center, 358-5 Yamabuki-cho, Shinju-ku, Tokyo 162-0801, Japan
Zeolite 42(1): 9-15 (2025)
doi:10.20731/zeoraito.42.1.9

解説解説

酸化物セラミックス上でのメタン活性化とグラフェン成長メカニズムMechanism of Methane Activation and Graphene Growth on Oxide Ceramics

1東北大学多元物質科学研究所Institute of Multidisciplinary Research for Advanced Materials, Tohoku University ◇ 〒980–8577 宮城県仙台市青葉区片平2–1–1

2東北大学材料科学高等研究所Advanced Institute for Materials Research (WPI-AIMR), Tohoku University ◇ 〒980–8577 宮城県仙台市青葉区片平2–1–1

受理日:2024年10月8日Accepted: October 8, 2024
発行日:2025年1月31日Published: January 31, 2025
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グラフェンを3次元的なナノポーラス骨格にした材料は,多孔性,耐食性,導電性,機械的柔軟性に優れ,エネルギー貯蔵や触媒を含む多くの分野で注目を集めている。3次元のグラフェンナノ多孔体を合成するための第1段階は,耐熱性の高い酸化物セラミックス上での高温メタン分解によるグラフェン生成であり,その反応機構の理解は極めて重要である。本稿では,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,二酸化ケイ素上でのメタンの活性化とそれに続くグラフェン成長のメカニズム解明に関する最近の進捗について解説する。

Materials that feature graphene in a three-dimensional (3D) nanoporous framework have attracted significant attention across various fields, including energy storage and catalysis, due to their excellent properties such as developed nanoporosity, corrosion resistance, electrical conductivity, and mechanical flexibility. The first step in synthesizing nanoporous 3D graphene involves the generation of graphene through the decomposition of methane at high temperature on thermally stable oxide ceramics, and a thorough understanding of the reaction mechanism is crucial. This article reviews recent advancements in elucidating the mechanisms of methane activation and subsequent graphene growth on alumina (Al2O3), magnesia (MgO), calcium oxide (CaO), and silica (SiO2).

キーワード:3次元グラフェン;メタン活性化;酸化物セラミックス

Key words: three-dimensional graphene; methane activation; oxide ceramics

1. はじめに

グラフェンは,炭素原子がsp2混成により六方格子に配列された2次元単層構造を特徴とする炭素同素体である1)。最も薄くて軽い材料の1つであるグラフェンは,高い電気伝導性,優れた電子移動度(2.5×105 cm2 V−1 s−12),大きな潜在的比表面積(2627 m2 g−13),優れた熱伝導率(3000 WmK−1以上)4)など,並外れた特性を示し,バイオセンサー5),太陽電池6),光触媒7)を含む,様々な分野での応用が期待されている。近年ではグラフェン類似材料の比較的低コストでの量産も始まっており,実用的価値が高まりつつある。sp2炭素から成る球状分子のフラーレン8),筒状構造のカーボンナノチューブ9,10)はそれぞれ0次元,1次元のグラフェン類縁構造体であり,グラフェンとは異なる独特の特徴をもつ。一方で,炭素六角網面に7角形や8角形を導入することで理論的に構築可能11,12)とされる3次元のグラフェン構造体の合成検討も近年着実に進歩している。その中でも,著者らが近年開発した「グラフェンメソスポンジ(Graphene MesoSponge®; GMS)」13)は,高比表面積,高導電率,耐食性,軽量,機械的柔軟性といったグラフェンの特徴を色濃く反映した新規メソ多孔性材料であり,エネルギー貯蔵14,15),ヒートポンプ16),触媒担体17,18)など様々な分野への応用が期待されている。本稿では,GMS合成の第1段階である化学気相蒸着法(CVD)の最近の進捗について解説する。

2. 3次元グラフェンの製造法

従来のグラフェン製造法としては,機械的剥離1),化学剥離法19,20),SiC表面でのエピタキシャル成長21),CVD22)など,様々な方法が提案されている。これらのうち,基板表面に沿ってグラフェンを成長させることができるCVDを,3次元の構造体上で行った後に基材を除去すれば,3次元のグラフェン構造体が得られる23–25)。CVDの基材は「鋳型」と呼ばれるが,高品質なグラフェンを得るには600~900°C程度の高温でCVDを行う必要があるため,融点が低い金属ナノ構造体を鋳型に用いるのは難しく,より耐熱性の高い鋳型の探索が重要となる。我々のグループでは,耐熱性に優れ3次元のナノ構造を形成しやすい,酸化物セラミックスを鋳型として利用している。

酸化アルミニウム(アルミナ)やゼオライトを触媒として有機化合物の変換反応を高温で行う際に,多環芳香族類(コーク)が副生して触媒活性を低下させる現象は,「コーキング」と呼ばれ広く知られている。コーキングによって触媒が被毒されるため,従来コーキングは避けるべき現象であった。一方で京谷らは,コーキングを触媒作用によるカーボン合成反応として積極的に利用し,鋳型に沿ってナノカーボン構造体を合成する画期的な手法を開発した26,27)。例えば,ゼオライトの3次元ネットワーク細孔内部でCVDを行うと,単層グラフェンの3次元骨格からなるゼオライト鋳型炭素(ZTC)3,27)が得られる。ZTCは著者らが知る中で最も先駆的な3次元グラフェン構造体であり,現在も世界中で精力的に研究が進められている。しかし,グラフェンの端(エッジ)を大量に含むため化学的安定性が低く,電池等に応用するとすぐに劣化してしまう問題がある3)。GMSはジッピング反応28)によりエッジを極限まで除去することでZTCの弱点を克服し,カーボンナノチューブに勝る化学的安定性14,29)を達成した材料である。典型的なGMSの合成において,その第1段階にはメタン(CH4)を原料とした高温CVD30)を用いる。鋳型としては,酸化アルミニウムや酸化マグネシウムを利用可能であるが,これまで酸化物セラミックス上におけるグラフェン成長の詳細な反応メカニズムは不明であった。そこで以降では,種々の酸化物セラミックス上でのグラフェン成長のメカニズム解明に関する最近の進歩について解説する。

3. 種々の酸化物セラミックス表面におけるグラフェン成長機構

3.1 酸化アルミニウム,酸化マグネシウム

酸化アルミニウム(Al2O3)のコーキング作用を利用した鋳型カーボン合成26)は京谷らにより以前から報告されていた。このため,GMSの開発当時には,自然凝集したγ-Al2O3ナノ粒子を3次元の鋳型骨格として採用した13)。また,CVDでなるべく高結晶性のグラフェンを形成するため,反応温度を高くできる熱的に安定なCH4を炭素源として採用した。しかし,CVD後にAl2O3を溶解除去するには,高温でのアルカリ融解もしくはフッ化水素酸による処理が必要であるため,高コストであり環境負荷が大きい。そこで著者らは代替鋳型の探索を行い,塩酸で溶解可能な酸化マグネシウム(MgO)を鋳型としてもGMSの合成が可能であることを見出した31)。興味深いのは,固体酸であるγ-Al2O3と,固体塩基であるMgOの両方において,高温でCH4がグラフェンに転換される,下記の反応が共通して起こることである。

(1)nCH4nC(graphene)+2nH2

すなわち,反応式(1)で示されるCVD反応は,固体酸や固体塩基の作用とは異なる別のメカニズムで進行していることが予想される。そこで著者らは,両者の表面におけるCVD反応の詳細な解析を行った31)図1aに,両方の触媒表面における,グラフェン成長速度の比較を種々の温度で行った結果を示す。ここでは,CVD反応中の鋳型へのグラフェン析出による重量増加を熱重量分析装置で測定し,その結果を鋳型の比表面積で割ることで,重量増加を平均グラフェン積層数に変換した形で示している。いずれの固体表面においても,第1層目は第2層目以降よりも2~3倍の速度で成長する。実際,グラフェンの第1層目が形成される段階の活性化エネルギーはγ-Al2O3が114 kJ mol−1,MgOが134 kJ mol−1であり31),無触媒でのCH4分解の活性化エネルギー(370~433 kJ mol−132)よりも大幅に低い一方で,2層目以降が形成される段階のγ-Al2O3とMgO表面での活性化エネルギーはそれぞれ234 kJ mol−1,210 kJ mol−1と1層目よりも大きくなっている31)。なお,これらの値は,カーボンブラック上でのCH4分解における活性化エネルギー(205~236 kJ mol−133),すなわちカーボン表面上でのCH4分解の活性化エネルギーに近い。つまり触媒表面において,グラフェン1層目の被覆が完了してから2層目以降が形成されている。この逐次的グラフェン成長メカニズムにより,単層のグラフェンによる均一な被覆が容易に達成できる。また,図1aのCVD反応開始初期のプロットを拡大した挿入図において,鋳型がCH4に接触してから(図1aでCVD time=0の点)炭素堆積が始まるまでに5~10分の誘導期間が存在していることがわかる。図1bに示す発生ガスの分析からわかるように,この誘導期間において,原料のCH4と生成物のH2のみならず,COの放出が確認でき,この特徴は酸化アルミニウムと酸化マグネシウムの両者に共通している。図1に示した結果は,CH4がγ-Al2O3もしくはMgO表面の一部の酸素をCOの形で引き抜き,酸素欠損サイトを形成し,この酸素欠損サイトがCH4をグラフェンに転換する活性点になっていることを示唆している。なお,同様のCVD反応はγ-Al2O3のみならずθ-Al2O3でも生じることがわかっている34)。酸素欠損サイトの形成とメタンの初期活性化過程に関するこれらの考察は,DFT計算によっても支持されており,酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム上でのグラフェン成長のメカニズムは,図2のように理解されている31)

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図1. 酸化アルミニウム(γ-Al2O3)と酸化マグネシウム上でのCH4を原料とするCVDによるグラフェン成長反応の解析.(a) CVD開始時間に対するグラフェン積層数のプロット.(b)酸化マグネシウム上でのCVD反応中の発生ガスの分析結果.あらかじめ900°Cに加熱した酸化マグネシウムに,「CH4 supply starts」と書かれたタイミングでCH4を導入している.文献31の許可を得て転載.Copyright The Royal Society of Chemistry 2021.

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図2. 酸化アルミニウムと酸化マグネシウム上でのCH4を原料とするCVDによるグラフェン成長反応のメカニズム(M=Al or Mg).

Tommasoらは,γ-Al2O3表面でのグラフェン核生成の初期段階に関し,計算科学を用いて更なる検討を行った35)。最初のステップであるC–H活性化には,表面酸素原子による水素の捕捉と,それに続くβ水素脱離によるH2の生成が含まれる。図3aに,γ-Al2O3結晶面の中で最も活性な(100)面における脱水素化のエネルギーダイヤグラムを示す。CH4から2個の水素原子が抜けてCH2吸着種(CH2*)が生じるまでは障壁が低く容易に進行するが,3個目の水素が抜ける段階のエネルギー障壁は非常に高く,CH2*がグラフェン核生成段階における重要な中間体であることが示唆される。さらに,CH2*の(100)面上でのカップリング反応のエネルギーダイヤグラム(図3b)から,CH2*は容易にCnH2n*(n=2~6)へと成長することがわかる。γ-Al2O3表面上において,CnH2n種のC–C結合長は,nと共に増加する。核生成の初期段階では,炭素鎖の両端に存在する不飽和CH2*は触媒表面に強く吸着する一方で,中間部分は触媒表面から離れてループ状になり,これがグラフェン核形成の初期段階に寄与しているものと考えられる35)

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図3. (a)γ-Al2O3の(100)面におけるCH4脱水素化のエネルギープロファイル.(b)γ-Al2O3の(100)面におけるCH2*のカップリング反応によるCnH2n*(n=2~6)種形成のエネルギーダイヤグラム.文献35の許可を得て転載.Copyright The Royal Society of Chemistry 2022.

TommasoらはさらにMgO上において,より大きなグラフェンクラスターCnn=16~26)に関する理論的検討を報告している36)。検討した種々のCnクラスターの中でも,お椀上分子の中心の六角形の周囲に3つの五角形と3つの六角形が交互に並んだ構造をもつC21クラスターはMgO上で特異的な安定性を示し,また中心の六角形の電子密度が高いことからCVD中に移動性の低いグラフェン成長起点として作用することが示唆された。さらに,MgO表面にSi,Mn,Fe,Ca,Alなどの不純物がドーピングされると,C21クラスターがより安定化されることが示された。これらの計算結果は,CVD初期に形成されるグラフェンクラスターはC21のような特定の構造を取ることを示唆している。

3.2 酸化カルシウム

酸化カルシウム(CaO)は,安価な炭酸カルシウム(CaCO3)の熱分解によって容易に生成でき,また希塩酸で容易に溶解できることから,Al2O3やMgOより費用対効果の高い鋳型として期待できる。我々は実際に,CaOナノ粒子を鋳型にしたGMS合成が可能であることを報告している37)。CaOはAl2O3やMgOよりCH4分解に対する触媒活性が高く,より低温でのCVDが可能になる。

我々は,CaO上におけるCH4を原料とするCVD反応機構に関して,実験と計算の両面から詳細な検討を行っている38)。DFT計算によると,CaO (110)面のステップ状酸素部位では,酸素欠陥の有無にかかわらずCH4脱水素化のエネルギー障壁が著しく低い(図4)。すなわち,酸素欠陥が無くてもC–H結合の解裂によるCH3*およびCH2*の形成が自発的に起こり,その結果生じるCH2*がグラフェンに変換されると予想される。実際,CVD初期の出口ガス分析において,CaOにはAl2O3やMgOで見られた誘導期間が確認されず,CH4はCaOに接触した瞬間からグラフェンに転換されることがわかっている38)。CaO表面は酸素欠損サイトが無くても活性であるが,CVD中の出口ガス組成の分析では,CaOはAl2O3やMgOに比べて大量のCOを放出し,なおかつこの放出はグラフェン積層数が1に達した後も続くことがわかっている。結果として,CaO上でのCVDにおける総CO放出量は4.04 µmol m−2に達する38)。一方で,Al2O3およびMgOからのCO脱離は,平均グラフェン積層数が0.5に達する前に終了し,それぞれの総放出量は0.52および1.37 µmol m−2に過ぎない38)。すなわち,CaO表面ではCH4の分解によりグラフェンが成長する反応と,表面酸素がCOとして脱離する反応が同時進行しており,さらにCaO表面がグラフェンで完全に被覆された後にもCaO表面からのCO脱離が継続する。このメカニズムを解明するため,グラフェンとCaOとの相互作用を計算したところ,表面グラフェン層の存在がCaO中の酸素原子を不安定化させ,酸素がグラフェン層の外側表面に移動することがわかった。移動した酸素はCH4と結合してCH3OHを生成し,それがCVD温度でさらに分解してCOになると考えられる。なお,グラフェン被覆CaO (110)表面での酸素移動に必要なエネルギーは,グラフェン被覆MgO (110)表面よりも著しく低く,CaOに特有の経路であることが計算からわかっている。一方で,グラフェン被覆CaOから酸素が脱離すると,CaO構造は再配置により修復され,隣接する部位の酸素脱離は抑制される。このため,実験においては一定時間後にCO脱離が停止する。

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図4. (a)単純なCaOの(110)面,(b)O空孔サイトを持つCaOの(110)面,それぞれにおけるC–H活性化のエネルギープロファイル.青,赤,茶色,白の球はそれぞれCa,O,C,H原子を表す.文献38の許可を得て転載.Copyright The Royal Society of Chemistry 2024.

3.3 酸化ケイ素

Al2O3,MgO,CaOはCH4をグラフェンに転換する優れた触媒能をもつが,これらの材料で高度なナノ構造体を形成することは難しい。一方で,二酸化ケイ素(シリカ,SiO2)は最もナノ構造の成型性に優れる酸化物セラミックスであり,単分散ナノ粒子,コアシェル粒子,ナノファイバー,シリカエアロゲル,メソポーラスシリカなど,多種多様なナノ構造を形成することができる。しかし,シリカ表面にはCH4をグラフェンに転換する触媒能は殆ど無い。干川らは,シリカ表面をトリメチルシリル基(TMS)で修飾すれば,アセチレンを原料としたCVDに対する活性が向上することを見出している39)。そこで,球状多孔質シリカ(MPS)表面をTMSで修飾した材料(TMS-MPS)をコア材料として使用したところ,CH4がグラフェンに転換され,GMSを合成することができた40)。さらに我々は,TMS-MPS表面におけるCH4のグラフェンへの転換反応に関するメカニズム解析を行った41)

MPSのTMS修飾と,その表面へのCH4を原料とするCVDによるグラフェン被覆のスキームを図5に示す。シリカ表面のシラノール基(Si–OH)をTMS基に置換した後,900°Cに加熱する過程でTMS基はSiラジカルと多環芳香族炭化水素(PAH)に変化する。修飾前のMPSではグラフェン形成開始温度が885°Cとかなり高いが,Siラジカルの存在によりこれが720°Cに低下する。結果として,900°CにおけるTMS-MPSの炭素堆積速度は修飾前のMPSの5倍に増加する。DFT計算の結果も,SiラジカルはCH4解離の活性部位として機能することを示している。また,SiO2表面が1層目のグラフェンで被覆された後も,Siラジカルは2層目のグラフェン成長を促進することが,実験と計算の両方から示されている。さらに,Al2O3,MgO,CaOの場合とは異なり,MPSとTMS-MPSの両方においてCH4のCVD反応初期もしくは反応中にCOは検出されないことから,シリカの系では酸素空孔が形成されないこともわかっている。このように,TMS-SiO2上のCH4活性化のメカニズムは,他の酸化物セラミックスとは大きく異なる。

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図5. MPSのTMS化(上)と,CH4を原料とするCVDによるグラフェン被覆のプロセス(下).φdは,それぞれMPS粒子の直径と細孔サイズを示す.文献41の許可を得て転載.Copyright Wiley 2024.

4. おわりに

本解説では,様々な酸化物セラミックス上でのCH4を原料としたCVDによるグラフェン形成プロセスに関するメカニズムについて詳しく説明した。Al2O3,MgO,CaO,およびTMS-SiO2のそれぞれの系において,同じCH4を原料としても,活性化メカニズムは多様であり,目的に応じた適切な系の選択が求められる。今後,新たに有望な鋳型材料が見いだされる可能性や,炭素源の変更によるプロセスの更なる進展が期待されるため,CVD条件の探求とメカニズムの解明は引き続き重要な研究対象となるだろう。3次元グラフェン構造体は,エレクトロニクス,エネルギー,バイオテクノロジーといった多様な分野で革新をもたらす潜在力を秘めており,今後は社会実装に向け,より安価で持続可能な合成手法の開発が望まれる。

謝辞Acknowledgments

本研究の一部は,科学研究費補助金(基盤A:23H00227),内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「マテリアル事業化イノベーション・育成エコシステムの構築」JPJ012307(研究推進法人:NIMS)によって実施されました。

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